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マリー・アントワネット/Marie Antoinette'06(米)

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キルスティン・ダンスト、これは当たり役で儲け役だ。
このキャスティングを耳にしたとき、きっとマリー・アントワネットの
ワガママで享楽的な面を強調しているのだろうと思った。
あの顔に「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」
なんて実にぴったりのセリフだと思ったが、
フタを開ければキュートで人間味あふれる、
実に魅力的な人物に描かれていて好感が持てた。
オペラ観賞で拍手するシーンとかね。
ここは後半悲劇的に再現され、「危険な関係」のグレン・クローズを思い出させる。

漫画「ベルサイユのバラ」は小学校高学年~中学生の頃に大ブーム(確か)
わたしは当時「ポーの一族」「トーマの心臓」にハマりまくっていたので
「ベルバラ」ももちろん読んだが、それほど深い思い入れはなかった。
後年、宝塚の「ベルバラ」もブームになったが、
ヅカにはまったく興味がなくこちらも思い入れなし。
なので、わたしにとってマリー・アントワネットといえば
キルスティン・ダンストの生き生きした姿が鮮明に刻まれるだろう。

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ビジュアル面は女性なら絶対うっとりだし楽しいはず。
色とりどりのスイーツ、靴の見せ方はポップでコマーシャル的で
やリすぎになる手前、「もうちょっと見たい」という分量が絶妙。

靴のデザインは残念ながら今のトレンドとは違うけれど、
バックル付きで甲を深くカバーし、太めヒールのパンプスが流行った頃、
香港のNINEWESTで買った靴にそっくりのが出てきて嬉しくなった。
個人的にそそられたのはピンクの靴(たぶん美容師レオナールのだと思う)
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洋の東西を問わず時代モノを観ると
「こんな時代に生まれなくてよかった~」と思うんだけど
ベルサイユ宮殿のしきたりには驚愕!
朝の身支度もそうだけど、出産時にあんな大勢のギャラリーがいるなんて・・・
(日本の宮家も似たようなものだったらしけど)

意外だったのはルイ16世とマリー・アントワネットの関係の描き方。
もっと冷え切った感じなのかと思っていたら
恋愛感情やセクシャルな空気はないけれど、
お互いを大切に思っているのが伝わってきて温かみがあってよかった。

ソフィア・コッポラの斬新な演出について、
もっと軽薄でまとまりがない作品かと危惧していたけれど、
時系列に沿ったわかりやすい撮り方だし、
登場人物の感情の流れもていねいに描写していて見やすかった。
彼女の監督作の中ではいちばん好き。

'07 1 24 劇場 ★★★★★
監督:ソフィア・コッポラ
出演:キルスティン・ダンスト、ジェイソン・シュワルツマン
   ジュディ・ディビス、アーシア・アルジェント

by Gloria-x | 2007-01-24 20:05 | 映画レビュー