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ティム・ガンのゴールデンルール/ ティム・ガン

ただのハウツー本と思うなかれ。笑いあり、感動あり、驚きあり♪

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プロジェクト・ランウェイは毎シーズン楽しみにチェックしていて
番組スタート時からティム・ガンの大ファン。
書店でこの本を見つけた時は「キャッ!こんな本が出てたなんて!」と小躍りした。
(もちろん誰でも美しくなれる10の方法も同時購入)

飛びつくように買ったけど、正直言うと
よくあるハウツー&ファッション業界の内幕モノかと思ってたら
笑いあり、感動あり、驚きあり!
読み物としてとっても魅力的なのだ。
とにかくティムに共感しっぱなし!
ますます彼のことが大好きになったわー♪

ティムはこの本の中で繰り返し言う。
人には優しく、礼儀正しく、マナーに気を配りなさい。


「ウェイターに失礼な態度を取る人々」
「権力を行使したがる人々」「礼儀のなさは罪」などの項を読むと
彼の人柄と生きる上での信条に好感を抱く。
特に、人とのつきあい方、墓場まで持っていくべき秘密
についてのティムの考え方には全面共感!

美輪明宏の名言
「人間関係は腹6分目くらいがちょうどいい」

を聞いた時に、雷に打たれたように感じたのと同じ
自分にOKを出されたような感覚を覚えた。

悪名高きアナ・ウィンターやマーサ・スチュアート、
ダイアン・フォン・ファステンバーグについてのエピソードも笑える。

上品でスタイリッシュな見た目&番組でのポジションから
わたしはティムについてこう思っていた。
たぶん家柄もよく、いい意味で苦労やコンプレックスとは無縁で、
順風満帆に成功への王道を歩んできたファッション界の大物。
もちそんスーツは高級デザイナーのオーダーメイド。
ところがこの本を読んでびっくり!
大変な努力家の苦労人で、経済的にも長年カツカツの生活だったらしい。
そして今でもスーツは既製服とか。

家族の話は驚きと笑いの連続!

ティムの父親はFBIでフーバー長官のゴーストライターを務め、フーバーとも長年親しかった人物。
ゲイであることをカミングアウトしているティムだが
子供の頃、妹とバービー人形で遊んでいるティムを見た父は
常軌を逸した態度で怒り、濡れたタオルでティムをぶったのだとか。
今思い出してもその時の父親の怒りは異常だったらしい。
そのことを女ともだちに話すと
「ひょっとしたらお父様もゲイだったのでは?」
そう言われてティムは告白する。

フーバー長官と父親の関係を
ずっと疑っていたのだと!


この項は最近J・エドガーを観たばかりなので信憑性があった。

ティム曰く「エリザベス女王にそっくり」な母親のキャラと数々のエピソードも強烈だ。

大人になってから母とランチをしていて、
レストランで泣くほどの言い争いになったエピソードは
まるでわたしと母のことかと思った(笑)


ティムはゲイだと公言しているが
母親は未だにそのことに気づかないフリをしているという。
しかも、55歳の息子にネクタイや服の趣味への小言から始まり
「もういい歳なんだから誰かと一緒になる気はないの?」と言うのだとか。
(ほんとに母親という生き物は・・・・(-_-;)

さらにすごいエピソード。
母親は夫が家に持ち帰って隠したFBIの最高機密文書の草案を見つけ出し
バスルームに閉じこもってゆっくり読みふけったという。
それに気づいた父親は、ドアを叩いても妻が開けないので
ついに斧でドアをぶち破ったのだとか!

ティムはこの本で自身のトラウマを告白している。
かなり衝撃的な内容なのだが、大げさにならず芝居がからず、
真面目だけど深刻ぶらず、
終始正直な態度で語っていることに尊敬の念を抱いた。

以下は特に共感した一文

◆おしゃれをしたり礼儀にかなった格好をするのを重荷に感じる人もいます。
  (中略)もしそうならずっとベッドの中にいればいい。

◆やる気のない格好でぼうっとしていれば、
  まっとうに生きていくことなどできるわけがありません。

◆人前できちんとした格好をすることは、自分に自信を持ち
  周りの人たちに敬意を表すことと同義なのです。
  通りを歩いていて、きちんとした格好をした人たちに出会うのは
  ほんとうに楽しいものです。

◆「話せば楽になる」・・・・この世で最も陳腐な決まり文句のひとつです。
  過ちを打ち明けることで他人を傷つける恐れはないでしょうか。
  あるなら、黙っていましょう。

'12 2 ★★★★★

by Gloria-x | 2012-02-17 16:35 | ブックレビュー