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ジェントルマン / 山田詠美

ゲイである夢生の、子供時代の回想にはかなり共感したが・・・

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容姿端麗、文武両道、加えて気取らない気さくさと優しさで
周囲の人間誰をも魅了してしまう青年・漱太郎。
同級生の夢生はその姿を冷ややかに観察していたが、
ある日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。
それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった。
そして、夢生はその背徳にすっかり魅せられてしまう。


山田詠美はデビュー作からずっと読んでいる大好きな作家。
シンプルで意味深なタイトルと帯のコピーから
もっと衝撃的で強烈な内容を期待していたのだが
期待が大きすぎたのかもしれない・・・

誰もが魅せられてしまうという漱太郎という人物に
あまり魅力を感じなかった。
「老若男女、誰をも魅了する人物」と聞いて
思い描くキャラクターの枠にきっちり収まりすぎだし
その裏に隠された「残酷な本性」「犯罪者の貌」も
浅く凡庸な印象で残念。

ただ、ゲイである夢生の子供時代の回想、
家族や近所の子供たちに抱く違和感にはかなり共感し
自分の子供の頃を思い出した。
(わたしは100%ストレートですけどね(;^_^A)

血の繋がりや周囲の環境にフィットしない個性を持ち、
周囲に理解者がいないと子供時代はほんとにヘビー。


子供のいないわたしがエラそうに言えないけれど
子育てって国家事業並みに責任重大な行為だと思う。
世の親たちはそれに気づいてるのだろうか?
いや、気づいていたら怖くて子育てなんかできないのかも?




'12 1 ★★★☆☆
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by Gloria-x | 2012-01-29 17:47 | ブックレビュー

アウトレイジ / '10(日本)

「ヤクザなんかになるとしんどいだけでロクなことないぞ~」という教訓映画かも?

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ヤクザ映画は好きで国を問わずよく観るが
これは非常にわかりやすいヤクザ映画だった。
人間関係もシンプル。誰が悪い奴でどんな絵を描いて誰を騙し、
誰がヘタ打って、誰が貧乏くじをひき、誰がまんまとのしあがっていくか・・・
キャストの最初の登場でほぼわかる。
バイオレンスシーンも目をそむけたくなるほどではない。
(石橋蓮司が被害に合うシーンはエゲつない!)

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主役級揃いの贅沢なキャスト。
役柄に変に意外性をもたせていないところがいい。
役者の従来のイメージ通り、またはこの作品での役の見た目通り。
ただ、北野武はどう見ても「武のまんま」だった。

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加瀬亮いいー!
絵に描いたような「インテリヤクザ」

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結局いちばん悪かった三浦友和。
すっとぼけた表情の奥にいろんな感情を抑え込んでる演技が上手い。
この人は歳を取るほどいい役者になりますね。

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まさかこの映画を観てヤクザに憧れる若者はいないと思うけど
ヤクザ映画を観るとつくづく
「まっとうな社会でフツーに働いてるほうがよっぽど楽」だと思う。

「礼儀作法」「規律」「辛抱」etc・・・がイヤで道を外れた人々がヤクザなのに
そっちのほうがよっぽどそういう諸々を厳しく求められるわ
理不尽なことだらけだわ、おまけに命までヤバいわ・・・
安易な気持ちで足を踏み入れるなという若者への教訓映画かもしれませんね。



'12 1 WOWOW ★★★☆☆
監督・脚本:北野武
出演:北野武、椎名桔平、加瀬亮、三浦友和、國村隼
    杉本哲太、石橋蓮司、北村総一郎、小日向文世
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by Gloria-x | 2012-01-25 18:48 | 映画レビュー

真綿荘の住人たち / 島本理生

気になりつつ縁がなかった作家。言葉選びのセンスがよく文章が上手い!

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1983年生まれの著者が15歳でデビューし、着々と作品を発表し、
いろんな文学賞の候補になったり受賞したりするたび、ずーっと気になっていた。

何度も手が伸びたけど、パラパラめくると
若い作家ゆえ当然描く世界も若くて
共感できないばかりか物語世界にすら入れないのが明らかで
今まで読んだことがなかった。
('84年生まれの綿矢りさは抵抗なく何冊も読んだのに?)

読んでみたら予想外にフィット!

恋愛小説家の綿貫千鶴が大家をつとめるレトロな下宿
「真綿荘」に集まる住人たちのちょっと風変わりな恋と青春の日々・・・

登場人物全員、かなり個性が強いキャラなので
一歩間違えばやりすぎになったり鼻につきそうなのに
キャラクター設定も嫌味がなくリアリティがあるし
セリフや感情描写も自然でていねい。

なんといっても語彙が豊富でセンスがいい!
文章が上手い作家の作品って読んでいて気持ちいいのよねー!


読みながら登場人物のキャスティングができたり(実在の俳優などで)
自分の脳内で映像化しやすい小説って好きだ。

だけど当たり外れが激しい作家かも?
本作が意外によかったので
2011年直木賞候補になった作品を調べたら
「ケータイ小説みたい」というレビューが多数。
しかも上下巻、う~ん、読むべきか否か・・・・


'12 1 ★★★★☆
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by Gloria-x | 2012-01-19 18:10 | ブックレビュー

暗闇で踊れ / 馳星周

今回も残念!初期作品群の強烈な魅力はもう戻らないのか?

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「氷のザキ」と異名をとる警視庁三課の神崎。
高価な古美術品が大量に市場に流出していることを知った神埼は
事件の臭いを感じ、コレクションを次々と手放している老富豪を訪ねる。
老富豪・井上は天涯孤独なはずだったが、
最近になって妾に産ませたという子供が現れたという。
その子供とは榊田恵と学の姉弟。
彼らが古美術品を骨董屋に持ち込んで売っていたのだ。
二人は井上の屋敷に住み込み、老いた井上の介護をしていた。


ここのところ不作続きだっただけに、かなり期待して読んだ新作だが結果は・・・・
人を騙して金を搾り取ることしか生きる術を知らない
生まれながらの詐欺師姉弟と彼らを追う刑事。

姉の恵は、神崎の若い相棒である水沢刑事曰く
「男が百人いたら、百人がヤリたいと思う女」だそう。
すげー(笑)映像化されたら誰が演じるんだろう?

美人でスタイル抜群、砂糖をまぶしたような甘い声で歌うように喋る女。
そんな恵のベタすぎる色仕掛けにコロッとやられる神崎刑事。
なにが「氷のザキ」だよー?って失笑・・・

詐欺師姉弟の壮絶な生い立ち、過去の「仕事」、詐欺のテクニックなどは
けっこう読みごたえがあるし、普通におもしろく読める。
とはいえ、昔の馳作品を知っているだけに

ひとこと「粗い!」書き飛ばしてる感ありあり・・・

再び「不夜城」や「謝肉祭」のような興奮を味わわせてくれることがあるのだろうか?


'12 1 ★★★☆☆
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by Gloria-x | 2012-01-18 18:03 | ブックレビュー

今度は愛妻家 '09(日本)

意表をつかれて号泣!既婚者必見かも。

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まったく期待せず、なんとなく観始めたら
完全に意表をつかれて号泣!

タイトルの意味が深い・・・既婚者は必見ですね。

夫婦役の豊川悦司と薬師丸ひろこが
家の近所の商店街を歩くシーン。
脚長ゆえ大きな歩幅で歩くトヨエツに追いついて
手をつなぐ薬師丸ひろこ。
振りほどくかと思いきや、そのまま手をつないで歩く2人。
デートやお出かけではなく、ごく日常の風景。
結婚してる人ならツボなのでは。

かつて売れっ子カメラマンだった北見俊介が
なぜか一枚も写真が撮れなくなって早や一年。
妻のさくらはグータラな夫の世話に疲れ、一人旅に出る。
しばしの独身生活、そこへ女優志望の蘭子が
「オーディション用の写真を撮ってほしい」と訪れる。
浮気のチャンスに小躍りする俊介だったが・・・


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トヨエツ、やっぱりいいわ~
引きの画になると全身のバランスのよさにため息・・・

薬師丸ひろこは今まで好きじゃなかったけど、初めて好感持った。

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石橋蓮司。この役、気持ちよかっただろうなー。
オカマ役って俳優にとって醍醐味だというのが納得。
細部まで完璧に楽しんで演じているのが伝わってきた。

チョイ役ながら味わい深く印象的だったのが井川遥。
すっごいキレイになって!いい女になって!としみじみ・・・

水川あさみはけっこう好きな女優だが
今回は声張りすぎの過剰な演技がややうっとうしかった。

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一人で鑑賞していて
ドッと泣こうとしたタイミングでダーリンが帰宅。
とっさに涙を止めたつもりが、彼の顔を見て堤防決壊・・・・(T_T)

後日、一緒に鑑賞。

トヨエツ演じる俊介は
「優しい言葉を口に出せず、心と裏腹に冷たい態度をとる」男。
我がダーリンは真逆で
「日本人には珍しいほど言葉でも態度でも愛情表現する」男。
なので主人公に感情移入はできなかったらしいが、しみじみよかったとか。

再鑑賞でもわたしは大泣き。
鑑賞後は気持ちいいカタルシスでした。

'11 12 WOWOW ★★★★★
監督:行定勲
出演:豊川悦司、薬師丸ひろこ、石橋蓮司、水川あさみ、濱田岳
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by Gloria-x | 2012-01-11 12:23 | 映画レビュー

あけましておめでとうございます♪

今年もどうぞよろしくおねがいします

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あっという間にもう新しい年!
最近、5年前なんて「ついこの間」感覚なんですけどー。
年齢を重ねるにつれ、生物学的に時間の感覚が変化しているんですかね?

子供の頃の「未来予想図」では
とっくに人生の現役を降りて、煩悩や欲から解放されている年齢なのに
現代の日本ではまだまだリングから降りられない気配・・・

実年齢より若く見られるのはありがたいけど
一方でな~んか人生長くなっちゃって
いくつになっても若さをキープし続けたり
新しいことに挑戦し続けなきゃって
気分に駆り立てられるのは
正直ちょっと因果だなぁとも思ったり・・・(;^_^A

「がんばる」「張り切る」「一生懸命」などが大の苦手なので
テンション低めのスタートですが

昨年はいつになく真剣&冷静に
自分の人生を検討&分析して新しいことを始めました。

どうなるかは神のみぞ知るですが
今年は新展開といきたいところです。

みなさまそれぞれにとってもよい一年になりますように!
今年もどうぞよろしくおねがいします。
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by Gloria-x | 2012-01-01 23:04 | 出来事・世間・雑感