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金平糖の降るところ/ 江國香織

登場人物の誰も好きになれないが、バックグラウンドには惹かれる。読みごたえ満点!

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日系アルゼンチン人としてブエノスアイレス近郊の町で生まれ育った
佐和子(カリーナ)と十和子(ミカエラ)姉妹は
少女の頃からボーイフレンドを共有することを2人だけのルールとしていた。
留学生として日本を訪れた姉妹が出会ったのは
容姿に恵まれて屈託なく育ち、誰からも好かれる達哉。
達哉に求愛された佐和子は初めて姉妹のルールを破り
達哉を共有することを拒否して彼と結婚。
一方、ミカエラは父親のわからない子供を妊娠して帰国。
アルゼンチンでシングルマザーとなる。
そして20年後・・・・


姉の佐和子は正統派美人。
妹ミカエラはファニーフェイスだが奔放で魅力的。

姉・佐和子は江國香織の小説によく出てくるタイプの女性だ。
植物的な美人で、上品なお嬢様タイプのくせに
異性関係は意外に奔放というか常識ハズレだったりする。

妹・ミカエラは佐和子との対比としてシズル感のあるキャラクターだが
姉の夫(実際は姉そのもの)への異常な執着といい、
誰が父親かもわからない子供を
平気で産み育てる生き方といい、シンパシー度はゼロ。

そして、誰もが振り返るそんな美しい姉妹を両腕に抱いて
'80年代のディスコで顔パスだった男、達哉。
容姿に恵まれ、誰からも好かれ、体を鍛えるのが趣味で
常に自信に満ち溢れている。
20年後の現在は、東京都内で4軒の飲食店を経営し
「遅れてきた一人バブル」と揶揄されるほど大成功。
従業員とは、かつて自分が主将だった頃の
ラグビー部のメンバーとのような関係を築いている。

美人の妻と豪邸に住み、都内には自分専用のマンションを持ち
愛車はマセラッティ(妻はベンツとルノー)
常にガールフレンドが数名いて、その関係は妻も黙認・・・・

って、こんな男、生理的に大っ嫌い!!!!

でも、佐和子みたいな身分にはなりたいわ~(;^_^A

姉妹の独特の「共犯関係」みたいなものもまったく共感を覚えないし
(ていうか、こんな姉妹いるとしたらお目にかかりたいわー)
ミカエラの娘のキャラもよくわからん。
それでいえば、佐和子の逃避行の相手もどこがいいのかさっぱり?
とにかく登場人物は誰ひとりとして好きになれないのだが
彼らのバックグラウンドは羨ましいし、
日本・アルゼンチン、どちらの描写も魅力的で心惹かれるのだ。

↓の一文には激しく共感した。

佐和子はこれまで、若い人をうらやましいと思ったことが一度もなかった。
若いというのは子供ということなのだし、
若さを失うのを恐れるというのは、見苦しいと思っていた。


わたしは自分自身が子供の頃、若い頃から
「若い=未熟=恥ずかしい」と思っていて
今の若いコみたいに「若い=最強」
若いというだけで武器になるなんて
これっぽっちも思ったことがなかった。
だから小学生くらいから、早く大人になりたい、
大人になって成熟して自信満々になりたいと思っていた。

だからかもしれないが
「若い頃に戻りたい」なんて一度も思ったことがない。
ていうか、逆に戻されたら罰ゲームである。


戻ってリセットしてやり直せるなら別だけど。

他人から見てどうかは知らんが
わたしは常に「今が自己ベスト」


これって言い換えれば「お幸せな人」なんでしょうね(-_-;



'11 12 ★★★★☆
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by Gloria-x | 2011-12-23 23:57 | ブックレビュー

磯江毅=グスタボ・イソエ特別展

物は見ようとしたときにはじめて見えてくる 

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奈良県立美術館にて
マドリード・リアリズムの異才、磯江毅特別展を鑑賞。

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これが写真じゃないなんて!

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久しぶりの美術鑑賞。

冬の美術館は大好き。

心が安らかになり、満たされるような気がします。
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by Gloria-x | 2011-12-19 20:25 | 美術・芸術・音楽

南佳孝3枚

大人の時間と空間を酔わせてくれる音楽

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晩秋の土曜の夜
夫とあるオーケストラの演奏会に出かけた。

夫が習うトランペット関係の楽団の定期公演で
コンサートホールは初めて訪れる街にあった。

演奏会は思いのほかよかったけれど、同時に思いのほか長く
終盤、わたしは空腹を覚えながら
この後どこへ何を食べに行こうかと、いくつかの候補を思い描いていた。

意外なことにアンコールが3曲もあり!
1曲ごとに指揮者も楽団も舞台袖に退場するものだから
空腹は耐えがたいものになっていた。

空腹になるとわたしは
凶暴といっていいほど機嫌が悪くなる

今からミナミまで帰って食事しようとしたら
落ち着く間もなくラストオーダー・・・
ああ、そんなの耐えられない!

その時、嵐の海で見つけた灯台の光のように
頭にお気に入りのレストランが浮かんだ。

深夜までゆっくりと食事を楽しむことができる
正真正銘、大人のレストランである。

コンサートホールを出るなり携帯電話で予約をする。
テーブルが確保できたことで
気も狂わんばかりの空腹がやっとなだめられた。

夜の空気に温かく灯る橙色の照明と
躾けの行き届いたスタッフに迎えられてテーブルに着くと
殺気立っていた神経がするするとほぐれていく。

美味しい料理と酒、夫と見詰め合って交わす会話で
さらに身も心もほどけていく・・・

その時、わたしの耳に流れてきたのが
ポルトガル語の「スローなブギにしてくれ」

そういえば、さっきからほどよい音量で流れる
南佳孝の声が心地よいと思っていたのだ。

居心地のよい空間、愛する人と過ごす時間、
美味しい料理と酒、そしてこの音楽!
あまりの調和に酩酊しそうな瞬間だった。



※今回はちょいと気取って江國香織風に書いてみようと思いつつ
  「ダーリン」ではなく「夫」などと書き出したのに
  空腹のくだりでさっそく実態バレバレ。情けない・・・・(-_-;


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というわけで
さっそくAmazonで探して入手しました。

ボクのこころ ~MELI COR ACAO~
ボサノヴァ生誕50周年、リオデジャネイロ録音のセルフカヴァーアルバム。

「モンローウォーク」「スローなブギにしてくれ」「プールサイド」は言わずもがな
「Scotch and Rain」は懐かしさにクラクラ・・・
20代初め、この曲とE・スコラ監督の映画にインスパイアされた小説を書いたっけ・・・


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海辺で火を囲み、気心知れた仲間たちと飲み、語りあう・・・
そんなコンセプトで作られた最高にナチュラルなアルバム。

「I can see clearly now」
「What's going on」
「A whiter shade of pale」が特に心地いい!

あの夏・・・In Summer
AORの名曲やボサノヴァのスタンダードをカヴァーした
リオデジャネイロ録音アルバム。

「HEARTS」
「JUST THE WAY YOU ARE」
「MAS QUE NADA」
などなど軽やかで気持ちいい~♪
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by Gloria-x | 2011-12-09 21:05 | 美術・芸術・音楽