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一人二役/河本準一

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リリー・フランキー著「東京タワー」を読んだ時にも思ったけど、母と息子の関係って、
母と娘のそれとはまったく別物。
比較にならないくらい密度の濃いもののようだ。

わたしの母も娘3人の後に弟を産み、後年、
「男の子を産んで初めて、
子供の可愛さがわかった」

なんてことをしゃあしゃあと、しかも自分が産んだ娘であるわたしに話すくらいなのだから、
やはり息子って特別な存在なんでしょうねぇ・・・。

どっちにしても、こんなに無条件で信頼しあい、
すべてを許し、受け入れて愛し合う親子関係って、
うらやましいけど、わたしには想像するだけで実感が伴わない。

お笑いコンビ次長課長の河本のオカンは
「すべらない話」でも一際異彩を放つ強烈なキャラクターであるが、
それは女手ひとつで息子を育て上げるために、あえて女を捨てて
「オヤジとオカン」の一人二役を演じてくれたのだと河本は書く。
数々のエピソードは笑いあり涙あり、驚嘆と尊敬の連続である。
オカンも河本もきわめて純粋でまっすぐな精神の持ち主で、
しかもタフで健全な人なのだということがわかる。

「環境を恨まず、見方を変えて、新たな可能性を見出して欲しいということ。
日常の行動パターンを少し変えれば、
現状から脱却できる抜け道は必ず見つかる。待ってるだけじゃ変わらへん」

重みと説得力のある、あとがきの言葉に深く共感した。

「東京タワー」と比べるのもなんだが、作品そのものはさておき
リリーさんとオカンの関係より、河本とオカンのそれのほうが
二人の間に流れる空気がカラリと感じてわたしは好きだ。

余談だけど、わたしは河本の歌(特に女性歌手の)が大好きで、
カバーアルバムを出してほしいと真剣に願っている。

'08 1 ★★★★☆
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by gloria-x | 2008-01-30 22:47 | ブックレビュー

エレクション/黒社會 '05(香港)

c0008209_2131696.jpg怖ーっ!大好きな「インファナルアフェア」シリーズが
子供だましに感じるほどの容赦なさ。

香港黒社会最大の組織の次期会長選挙。
その座を手に入れるために2人の男が
手段を選ばない戦いを繰り広げる。

実際の香港黒社会では銃を使わないらしく、
この映画は銃撃戦は皆無。
で、銃を使わないことが逆にこれでもかというくらい
凄みのあるリアルな残虐さになっている。

レオン・カーフェイって「ラ・マン」くらいでしか知らないけど
昔から顔デカかったよね、確か。
この作品では香港人というより韓国人っぽくて
角度によってはトミーズ雅に見えることも・・・

彼が演じるディーという男が直情型でえげつないこと!
見るからに柄が悪そうで、しょっちゅうキレて、
親分衆も手を焼くような男なんだけど
自分を次期会長に推さなかった男2人を木箱に詰めて
岩だらけの切り立った断崖から転げ落とすのだ。
ただ殺すんじゃなく残酷ーと思ったら、甘かった!
箱が下まで落ちきったとこで、子分たちに「箱を上まで運べ!」

ええーっ!また上から落とすの?えげつなすぎ・・・(T_T)

えげつないといえば、
ディーに因縁つけられたチンピラが
陶器のレンゲをバリバリ噛み砕いて食べるシーンも壮絶。
しかも、因縁つけたディーの目をしっかり見据えて・・・
これって根性のみでしょ、凄すぎ。
とにかく和洋ノワール物に慣れたつもりのわたしでも
度肝を抜かれるシーンの連続なのだ。

サイモン・ヤム、今まで知らなかったけど
彼が演じるロクという男、
事情は描かれていないが男やもめで幼い息子と2人暮らし。
理性的で人望があるというキャラなんだけど
実は蛇のように恐ろしい男。

権力争いも一段落し、
ロクは一人息子、ディーは妻を伴って釣りに出かける。
(この息子と妻がなぜかどっちもフィリピン系みたいな顔だち。
2人が親子役だったら自然なんだけど・・・?)

そしてのどかなシーンが一転、慄然のラスト!
これはもともとロクの周到な計画だったのか
ロクに気を許したディーの野心を知って
邪魔な芽は小さいうちに潰せだったのか、
ダーリンと意見が分かれたところ。
(ちなみにわたしは計画だった派)

重厚な本格派で見ごたえ満点だったけど、
わたしはやっぱりスタイリッシュな「インファナル・・・」が好き。

'08 1 WOWOW ★★★★☆
監督:ジョニー・トー
出演:サイモン・ヤム、レオン・カーフェイ
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by gloria-x | 2008-01-24 21:37 | 映画レビュー

呼び名について

わたしは幼い頃から一貫して友人から
「〇〇ちゃん」と下の名前で呼ばれてきた。

世間的には立派な中年と言われる年齢だが、
大人になってから親しくなった間柄でも「〇〇ちゃん」だし、
3年前から働いている会社でも、いつの間にか
年下のコ数人から下の名前で「〇〇さん」と呼ばれている。

わたしは自分の名前が好きだ。
自分で言うのもおこがましいが、
女性の名前としてイケてる部類だと思う。
同名の女優やタレントも美人が多いし、
流行に関係なく人気のある名前のようである。

小学校低学年の頃は自分の名前が好きじゃなかった。
当時、周囲の女の子のほとんどが「〇子」だったが、
我が家は「子」のつかない、
しかも三姉妹シリーズ化された名前だったので、
必ず周囲から名前のことでコメントされるのがイヤだったのだ。
書道教室で作品に名前を添える際、
つい架空の〇子という平凡な名前を書いてしまったこともある。
しかし、すぐに親の名付けセンスに感謝するようになった。

一方、生涯を通して苗字で呼ばれ続ける人もいる。
わたしの2人の妹も小学生時代は苗字をニックネーム化して呼ばれていた。
(山本なら山ちゃんみたいな)
苗字のニックネーム化には性別不詳なものが多く、
せっかく下の名前は可愛いのに残念なことになっているコも多かった。
が、本人は意外にそれが気に入っていて
中学や高校で環境が変わっても自分から「〇〇って呼んで」と
色気のない呼び名を踏襲させたりするから不思議だ。

コラムニストの酒井順子さんは生涯通して
「サカイ」と呼ばれているらしく
「ジュンコ」と呼ばれることを想像しただけで気持ちが悪い、
というようなことを書いてらしたのを読んだことがある。
彼女の周囲は女同士で全員苗字呼び捨てなのだそうだ。

女性は名前で呼ばれるタイプと
苗字及び苗字のニックネーム化で呼ばれるタイプに二分されるようで、
なんとなく同じタイプが集まるような気がする。

どこへ行っても苗字で「〇〇さん」としか呼ばれないわたしの友人は、
恋愛関係になった歴代の男性からさえも
「〇〇さん」と苗字で呼ばれることを悩んでいた。
わたしには理解不能な関係だ。
「えー?それってエッチしてるときも?」と
わたしが思わず聞いたのは言うまでもない。

そういえば、わたしの周囲だけかもしれないが

苗字や苗字をニックネーム化したもので
呼ばれる女性は
ずっとシングルという率が高いような気がする。


言葉は「言霊」というように、呼ばれ方がその人の人格となり、
他の苗字がフィットしないようになるのだろうか・・・
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by gloria-x | 2008-01-20 18:03 | 出来事・世間・雑感

父親たちの星条旗/ Flags of Our Fathers '06(米)

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監督のイーストウッド自身が語っているように、戦争映画というより
一枚の写真によって「英雄」に祭り上げられた3人の男の人生を描いた映画。
この写真もしくは銅像のことは知っていたけど、こんなドラマがあったとは・・・

前半の戦闘シーンはあまり本腰入れずに観ていたが、
中盤以降、3人の苦悩やそれぞれの人生中心に物語が展開するにつれ、
どんどん引き込まれて腰を据えて鑑賞。
戦闘シーンはほどほどにし、悲劇的要素を強調しすぎず、しかも
ラストにあんなに美しいシーンを持ってきたイーストウッド監督のセンスが好きだ。

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なんといってもライアン・フィリップがいい!
彼だけなぜか(階級とかの違い?)軍服ではなくセーラー服なんだけど、
水兵さんルックがめちゃ似合って眼福♪

カオスの時にも書いたが、ライアンはサブ的な役どころが多い。
「俺が、俺が」と前へしゃしゃり出ず、常に一歩引いたポジションから
周囲の人間や出来事を冷静に観察しているのだ。
今回、彼は主役なのだが、
やはり「ボクちゃん」なルックスに賢そうな表情を浮かべて
自分自身のことも含めて客観的に観察しているという役柄。
他の2人が英雄扱いに舞い上がったり、
逆にトラウマに苦しんで悲劇の主人公になるのに比べ、
彼だけはほとんど感情を顕にせず、それでいて一番責任感が強く
戦後もいちばんまっとうな人生を送った人物。
ともすればおもしろみのない人物になりがちな役なのに
自然に感情移入できる魅力的な人物になっている。
この役、ライアンをキャスティングして大正解だと思う。

'08 1 WOWOW ★★★★☆
監督:クリント・イーストウッド
出演:ライアン・フィリップ、アダム・ビーチ、ジェシー・ブラッドフォード
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by gloria-x | 2008-01-17 22:48 | 映画レビュー

既婚女のホンネ

年末年始、既婚女の間でよく出る話題のひとつが
お正月、夫の実家を訪問するかどうか。

その際、ほとんどの女の顔はわずらわしげに曇る。
「行きたくないけど、しょうがないしねー」
「泊まったりする?」
「とんでもない!食事するだけ」
「ほんとは挨拶程度で帰りたいよねー」
「前の晩になるとすっごく憂鬱になるよね」
「わたしも!あの憂鬱さはなんだろうね?」

夫の両親が嫌いだとか、居心地が悪いわけではないのに、
できれば避けたい行事のひとつなのである。

わたしも例外ではない。ということは、
ダーリンもわたしの実家では気疲れしてるだろう。
てことで、結婚当初はお互いの実家を訪問していたが、
いつの間にかお正月は2人でのんびりするようになった。

先日も会社でこの話題になった。
その際、もうひとつ盛り上がったのが
「既婚子無し女のホンネ」である。

夫の両親に会うだけならまだ我慢できる。
夫の兄弟姉妹家族もいると思うと「行きたくない度」激増、
さらに、夫の兄弟姉妹に子供がいると「行きたくない度」はピークだ。

なぜなら、子供たちにお年玉をあげなくてはならないから。
日頃から仲良くつきあい、愛情を注いでいる子供ならいいけど、
年に一回しか会わない、思い入れもない子供になぜ?
1人だけならまだしも、4人5人となると・・・

お正月は毎年だからお年玉もエンドレス。
子無し夫婦はあげるだけでノーリターン。


この不条理さに子無し女たちの不満は炸裂した。

わたし側は弟とアメリカにいる妹はシングル、既婚妹も子無しだが、
ダーリンの弟は2人の子持ち。
実は、わたしたちはいろいろあってこの弟嫁と折り合いが悪い。
はっきり言って大嫌いなのだ。
実家滞在時間だけ表面上は社交的にふるまうことはできるけど、
子供たちにお年玉をあげるのがものすごーくイヤ!

ダーリンの実家は親戚持ち回りで集まるらしく、
何度かは会ったこともない従兄弟だかなんだかの一家が何組かいて
存在も知らなかった子供たちが何人もいて愕然としたことがあった。

子供がいる親同士なら「お互いさま」でいいけど、
ノーリターンな子無しには気を遣うべきでは?

子供がいない夫婦やシングルは
お年玉という習慣から
免除してほしいものである。

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by gloria-x | 2008-01-14 21:10 | 出来事・世間・雑感

ジョボビッチもロドリゲスも女優の名前/ 澤井健

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図書館でふと目について借りたら思いがけない拾い物だった!
文章・イラスト共に著者による映画評&俳優評。
もっと軽く浅い読み物かと思いきや、
映画への造詣の深さに裏づけされた本格的な内容に驚いた。
さらに視点と切り口の鋭さ、読みやすく、かつ説得力のある文章も魅力。

男性なのに女性ファッションやメイクの知識も豊富で、
特に女優を語るときの目線は男とは思えないほど的を得て辛口。
でも、単なる毒舌じゃなく考察が深く愛情も感じられる。
このさじ加減といい、文章力といいただ者じゃない!

特に唸ったのはシャロン・ストーンについての記述。
傲慢で悪評が絶えないが、それこそが彼女の「人のよさ」であると著者は語る。

~最も恐れるべきは老若男女誰からも好かれるキャラづくりをしていて
 しかもそこにスキのない女である。
 シャロンにはそういった「抜け目のなさ」は微塵もない。
 シャロンが意外に女たちから嫌われないのは、
 世間の女たちが その事実を見抜いているからであって、
 シャロンがどれだけ裸になろうと股を開こうと驕慢な発言をしようと
 「こんな人のいい女は自分たちの敵にならない」と本能的にわかっているからだ。
 女たちが恐れるのはもっと別のタイプの女である。~


映画「キャリー」評における、アメリカのプロム・パーティー
という習慣の残酷さについての考察や、
ダイアン・レインの女優キャリアにからめて、
80年代初頭のアイドル女優たちを語る一文、
浜崎あゆみの目化粧から考える女性のアイメイクと精神安定度、
フランス女はすべて「ザ・女優」であるという定義づけ etc・・・
とにかく読みごたえ満点、共感しすぎ、おもしろすぎ!

著者については名前も含めまったく知らなかったので
検索してみたら90年代に大ヒットした漫画家とか。
他の本(漫画以外)を読みたかったのだが
これ一冊(’04年出版)しか出してないみたい。残念!

'08 1 ★★★★★
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by gloria-x | 2008-01-08 18:16 | ブックレビュー

初ドライブ

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快晴の3日、淡路島まで淡路牛を食べに行ってきました。

淡路PAにある大観覧車のてっぺんから見た明石海峡大橋。
左下に見えるのはタコフェリー。
帰りはこれに乗りたがったダーリンですが、
明石までしか運行してないので涙を呑みました・・・

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数年前、旅取材で鳴門へ行った帰りに寄った店。
ここの石焼ステーキが美味しかったのをふと思い出したのです。
牛刺しもとろけそうな食感・・・

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主役はもちろん石焼の淡路牛ステーキ。

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お目汚しですが、新年のごあいさつ。
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by gloria-x | 2008-01-06 19:24 | 夫婦の日常・おでかけ

その名にちなんで/ The Namesake '06(米・印)

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ここ数年読んだ小説の中で最も感動した(★5つ)
ジュンパ・ラヒリ著「その名にちなんで」の映画化。

インドで見合い結婚をしてアメリカに移住した夫婦の
約30年にわたる人生の軌跡を描いたドラマ。
新しい土地で少しずつお互いを知り、夫婦愛を深めていく二人、
アメリカで生まれ育った子供たちとの世代間&カルチャーギャップ、
親に対しておそらく誰もが抱いたことがあるであろう、
大切にしたいという思いと、距離を置きたいというアンビバレンスな感情など
人種や国籍を超えて共感できる内容で
原作同様、見事な感動作に仕上がっている。
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アシマ役のタブー(右端)の美しさ&妖艶さ!
息子ゴーゴリーの妻となるモウシュミ役のズレイカ・ロビンソン
(アル・パチーノ主演「ヴェニスの商人」で娘役が印象的だった)
もそうだけど、インド系女性の肉感的なボディには思わず息を呑む。
特にウエストからヒップにかけてのライン、単に細いだけのモデル体型じゃなく、
もちろん贅肉ではなく、なんとも美味しそうな肉付きなのだ・・・
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いやーそれにしてもインド世界の儀式のエキゾチズムの濃さよ・・・
アメリカ映画における移民系物語はどれもそうだけど
インドで行われた結婚式や散骨式は当然として、
アメリカに移住してからの冠婚葬祭のシーンも必見だ。
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原作のブックレビューにも書いたけど、
やっぱりわたしが憧れるのはゴーゴリーの恋人で
N.Yのインテリ家庭に育ったマキシーンのバックグラウンドである。
知的でリベラルな両親の元、のびのびと何不自由なく育ち、
経済的にも職業選択にもまったく不安のない人生は羨ましすぎ!

これもブックレビューに書いたことだけど、
なんやかんや言っても父アシュケは大学教授、
ずっと主婦だった母アシマも後年図書館で働き、
ゴーゴリーはイェール大、妹ソニアはスタンフォード大(確か)、
モウシュミはソルボンヌ大という超エリート一族なのだから
単なるインド系アメリカ人一家の物語とはスケールが違う。

そうそう、わたしが密かにお気に入りの名脇役が
「メリンダ&メリンダ」参照)
またまた味のある役柄で登場して作品に深みを与えていた。
この人、日本でいえば誰だろう?

'08 1 2 劇場 ★★★★★
監督:ミーラー・ナーイル
出演:カル・ペン 、 タブー 、 イルファン・カーン
ジャシンダ・バレット
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by Gloria-x | 2008-01-04 16:43 | 映画レビュー

たらば蟹&シャンパンで迎春

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あけましておめでとうございます♪
我が家の恒例、大晦日のたらば蟹&シャンパンです。

蟹を食べてる時って無心で本能のままって感じでしあわせ・・・
年越しそば食べるつもりが、すっかりいい気分で
ほろ酔いでホットカーペットの上でうたた寝。

ダーリンに揺り起こされたらTVは「行く年来る年」
2人で新年の挨拶をしてベランダに出ると
大阪港の上空に花火が上がってました。

2008年は末広がりの年だとか。
いいことがたくさんありますように!

みなさんもよいお正月をお過ごしください。
今年もどうぞよろしくおねがいします。
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by Gloria-x | 2008-01-01 13:24 | 食べる・飲む