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ホリデイ/The Holiday '06(米)

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軽いラブコメの衣装をまといつつ、
中身は実に緻密にしっかり作られた質のいい映画である。
脚本、俳優陣の演技、映像、音楽、セット、編集、
すべてのクオリティが高く、一分の隙もない。

だから、一見喉越しよく、軽く後味がよく、ハッピーな気分になれるけれど、
それだけで終わらず、しっかりしたディナーを堪能したような充実感が残る。

実力派俳優4人が「どうだ!」とばかりに演技合戦を繰り広げるのではなく、
誰もが出すぎず引きすぎず、
サラッと実力を見せている、そのバランスが絶妙。


「こういう映画好きだなぁ」とつくづく思いながら、その「好き」さが
恋愛適齢期に似ているなと思ったら、同じ監督だった。

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L.Aで映画の予告編製作会社を経営するアマンダ(キャメロン・ディアス)と
ロンドンの出版社でライターをしているアイリス(ケイト・ウィンスレット)が
お互いの家を交換してクリスマス休暇を見知らぬ土地で過ごす。
2人共、恋に破れて傷つき、自分を取り巻く環境をガラっと変えたかったのだ。
そして2人は未知の土地で新しい恋と出会う。
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キャメロン・ディアスってほんとにキュートだわー!
どの映画を観ても思うけど、一瞬ごとに変化する生き生きした表情は
目が離せなくなるほど魅力的で、つくづく「動いてなんぼ」の女優だなぁと思う。
そしてあのスタイルのよさ!
ドレスにハイヒールという「ON」の着こなしのパーフェクトさは言うまでもないが、
わたしはキャメロンの「OFF」スタイルが好き。
家でゴロゴロしてる時のジャージ姿とか、
寝起きのキャミ&短パンとか、スウェット上下にルーズソックスとか、
わたしなら宅急便が来ても居留守を使わざるをえないけど、
キャメロンならそのままメイクラヴに直行できるんだからうらやましい限り・・・・

ケイト・ウィンスレットは今までシリアス演技しか観たことなかったけど
コメディもイケるところはさすがの実力派だ。
けっこう太りやすい体質だと思うけど(親近感たっぷり)
今回はすっきりめで、なおかつ肉感的でもあり、
嫌味のない大人の色気が漂ってすごく美人だった。

2人のヒロインが自然体で、
同性が共感できるキャラクターになっているのが勝因だろう。

自然体といっても、わざとらしい女がよく使う
「わたしってサバサバしすぎてて、いつも男友達に
お前って色気ないなーって言われるんですよー」という種類の
同性から反感買いまくりの「演出した自然体」ではない。
ほんと、この監督&脚本うまいわー!
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ジュード・ロウやっぱりいいわ~(*^-^*)
正確にはタイプじゃないけど、あの顔、あの表情から目が離せなくなる。
彼と恋愛したいとは思わないけど、男友達として身近にいてほしい存在っつーか・・・
(妄想突っ走りすぎ?)

ジャック・ブラックもすごくよかった。
アクの強さが濃すぎずちょうどいい塩梅だったというか、
それでいて独特の持ち味はしっかり出してチャーミングだった。

L.Aのアマンダの家のインテリアセンスが最高!あんな家に住みたい・・・

'07 3 28 劇場 ★★★★★
監督:ナンシー・メイヤーズ
出演:キャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット
   ジュード・ロウ、ジャック・ブラック
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by Gloria-x | 2007-03-28 21:44 | 映画レビュー

タッチ The Touch/ダニエル・キイス

彫刻家のバーニーは大手自動車会社の
デザイン部門で車の造型モデル制作をしている。
結婚4年目のバーニーと妻のカレンは不妊に悩んでいて、
カウンセリングなどあらゆる方法を試みているが
まったく成果がなく夫婦仲もぎくしゃくし始めていた。

そんなある日、バーニーの勤務先で放射能漏れ事故が発生。
放射線技術者マックスと同じ車で通勤していたバーニーは
マックスの衣服に付着した放射能ちりで汚染され、
気づかないうちに汚染を自宅やカレンに広めてしまう。
そして、皮肉なことに汚染が発覚してから
カレンは妊娠していることに気づく。

吐き気、火傷、倦怠感、全身衰弱、視力の衰え、頭髪の脱毛、
将来発病するかもしれない癌への恐怖・・・
若い2人を襲う身体的被害はもちろん、
汚染を知った周囲の人々からの差別やいやがらせ、脅迫、
無責任なマスコミ報道によって世間から孤立していく過程が怖い。

'60年代に起きた事件に基づくフィクションで、
'68年初版作品を作者自ら改訂して'03年に出版。
初版から30数年の間に世界中で起きた
放射能事故のニュースが付録として加えられている。
メリル・ストリープ主演で映画化された「シルクウッド」事件など
政府や企業という大きな力による隠蔽も恐ろしいが、
エジプト、タイ、フィリピン、ブラジルで起きた事故は
放射能などとは無縁な一般人が偶然と無知によって汚染、
彼らの無自覚が家族や近所に汚染を広めて死者が続出。
自分もこんな被害に巻き込まれる可能性があることを考えると戦慄する。

'07 3 ★★★☆☆
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by Gloria-x | 2007-03-26 01:26 | ブックレビュー

パフューム~ある人殺しの物語~/PERFUME:THE STORY OF A MURDERER '06(独)

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いや~おもしろかった!一瞬たりとも退屈せず、観終わった後の充実感も上々。
「香り」という映像化困難な感覚を見事に表現した監督の手腕はもちろん、
「感覚的でわかりにくく、重くてしんどそう・・・」という先入観をあっさり裏切って
サクサクとテンポよくわかりやすく物語が展開するのもよかった。

日頃ハリウッド製エンターテイメント大好きのダーリンが
「これ観たい!」と珍しく熱心に主張。
ダーリンはこの映画の主人公ほどではないが嗅覚が鋭く、
フレグランス、アロマオイル、インセンスなど香りモノを集めたり、
季節や気分によって使い分けるのが趣味。
彼がこの映画に興味をそそられなかったら、
たぶんスルーしてたと思うと彼の嗅覚に感謝である。

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主人公ジャン=バティストを演じるベン・ウィショーがいい!
本能のみで生きているような野性味満点の顔、
そこに時折チラっとのぞく人間らしい感情・・・

悪臭に満ちた魚市場で産み落とされ、
魚の臓物といっしょに始末されかけたジャン=バティストは
何万人に一人という嗅覚の持ち主。
その人の匂いだけで後をつけて家をつきとめるのだから究極のストーカーである!
馬で街を離れたターゲットの美女ローラの残り香だけで
何キロもの山野の道を走って追跡するシーンは
「プロゴルファー猿」みたいで思わず失笑。

まさにこの役のために生まれてきたような
圧倒的存在感が新鮮なベン・ウィショーだが、
レイヤーケーキのチンピラ役を思い出すとすごい演技力だ。
今後が楽しみな要チェック俳優である。

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ダスティン・ホフマンが出ているとは知らなかったのでびっくりしたが、
実は、彼の登場で「暗くてしんどそう」という先入観が払拭されたのは事実。
魚市場→孤児院のあたりまでは作風がどう転ぶのかと用心しつつ観ていたが、
彼が出てから一気に安心して身を委ねることができ、
さらにアラン・リックマンの登場で安心感は深まった。

映像表現はとっても芸術的だが、二段オチの結末から考えても
実は上出来なエンターテイメント映画だと思う。
ところで、例の仰天の群集シーンみたいな現代アートありましたよね。

'07 3 21 劇場 ★★★★★
監督:トム・ティクヴァ
出演:ベン・ウィショー、アラン・リックマン、ダスティン・ホフマン
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by Gloria-x | 2007-03-22 17:08 | 映画レビュー

母娘3人、かしましく夕ご飯

父が入院して以来、実家でごはんを食べる機会が多くなった。

父は回復めざましく、歩行器や杖も不要で
トレッドミルの速度を上げるほどリハビリの進行も上々とか。
あまり本を読まない人だったのだが、
母が読み終えて持ってくる
山崎豊子、司馬遼太郎、藤沢周平、田辺聖子などを読みふけり、
読書の楽しさにめざめたのもいい傾向である。

昨日、妹と2人で病院に行くと、ちょうど外出から帰ってきた
父の隣のベッドのおじさまが朝掘りの筍をくださった。

実家に帰ると、奈良に住む母の友人からいただいたという
自家栽培の野菜もいっぱい。

旬の野菜で作ったサラダ、ローストビーフ、
母お手製の筑前煮、きんぴら、
実家を離れてから周期的に猛烈に食べたくなる
地元の中華料理店のギョーザ
などなど
テーブルいっぱいにお皿を並べ、
女3人、食べて呑んで喋ってとにぎやかな夕ごはん。

酒豪姉妹揃い踏みなので、もちろんワインもしっかり調達。
近所の酒屋さんお勧めのアルゼンチンワイン、
シャルドネとカベルネソーヴィニヨン2本
を軽く空けました。

酒豪姉妹と呑むのがなによりも楽しみな父が早く参加できますように。
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by Gloria-x | 2007-03-19 22:32 | 出来事・世間・雑感

バリー・リンドン/BARRY LYNDON '75(米)

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昔から存在は知りつつ未見だった185分の超大作。
観るのに長年腰が重かったのには理由がある。

原作は「虚栄の市」のサッカレーで
バリバリの古典文学である。

舞台は18世紀半ば、ヨーロッパの宮廷華やかなりし時代。
重厚でご大層な作品だという先入観で腰が引けていたのだ。
ところが意外や意外!
古典で、しかも30年も前の作品なのに古臭さがみじんもなく、
一人の男の奇想天外、波乱万丈な一生を
淡々と客観的視点で描いているのがよかった。

やっぱり「名作」とされるものは観ておくべきですねぇ。

とにかく芸術的な映像が見事!風景は印象派の絵画を再現したように美しく、
衣装、メイク、建築及び室内セットの細部に至るまで見ごたえ満点。
特に、電気が発明される前の時代を忠実に再現するため
ロウソクの灯りだけで撮影したという有名な室内シーンの幻想的なこと!

一対一でどちらかが倒れるまで交互に撃つ「決闘」シーンは
子供時代に耽溺した「ポーの一族」を彷彿とさせて、また読み直したくなった。

c0008209_18493313.jpgライアン・オニールは典型的な優男でわたしの大好きなタイプの顔。しかも若い頃なので視覚的に心地よかったのは言うまでもないが、リンドン夫人役の
マリサ・ベレンソンの美貌に目を見張った。
衣装や髪型はもちろん時代物だが、
メイクの技法というか質感というか、ビジュアル的に
30年も前の映画とはとても思えないのだ。


なんといっても眉の描き方(特に眉頭)が「ジャスト'07」なのには驚き!
そういえば、この映画で衣装を担当した人が今年('07)またオスカーをもらってたっけ。

'07 2 WOWOW ★★★★☆
監督:スタンリー・キューブリック
出演:ライアン・オニール、マリサ・ベレンソン
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by Gloria-x | 2007-03-15 19:19 | 映画レビュー

海老フライ

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海老大好きのわたしが特に好きな「海老フライ」
でも、家で揚げ物ってほとんどしないし、
外でも海老フライって意外に食べる機会が少ないような・・・・

土曜日、お気に入りの「K」へ行って来ました。
ミナミの食通の間では有名な、予約困難な洋食レストランです。
朝5時まで営業しているお店で、
ここのカツサンドをお土産に持っていくとホステスさん大喜びとか。

メニューを見ただけで「全部食べたい~!」と食欲全開!
でも、食べられる量には限りがあるので、断腸の思いで料理を選びます。

その日食べたのは
シラサ海老のサラダ、甘鯛のポワレ、山形牛フィレ肉の塩焼き、
テールシチュー、クリームコロッケ。

ほんとはシメにちょこっとカレーライス(これが絶品!)も食べたかったんですが、
さすがに脳に血が回らないほどの満腹感で断念・・・・

この店の海老フライは人気メニューでお持ち帰りできるのです。
どうしてもあきらめられなかったので、お土産にして日曜のお昼にいただきました。
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by Gloria-x | 2007-03-12 18:24 | 食べる・飲む

ダリ展 

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サントリーミュージアムで「ダリ展」観てきました。
ダリとの初めての出会いは彼が美術を手がけた
ヒッチコック監督作品「白い恐怖」。
子供の頃TVの洋画劇場で観たときの強烈なインパクト!
夢に出てくるほど激しく魅せられました。

それ以来、ダリは大好きな芸術家のひとり。
作品展があれば必ず足を運びます。

15年以上前、スペインを訪れたときの目的のひとつも
フィゲラスにあるダリ劇場美術館を訪れること
でした。

しかし、フィゲラス行きの前日、
バルセロナのピカソ美術館からの帰り、白昼堂々、強盗に襲われたのです!
女2人の自由旅行だったため、スペイン通の知人から
危険対策などのレクチャーを受け、
危ない地区にあるピカソ美術館は観光客の多い日曜の真昼間にしたのに・・・

殺気を感じて振り返った時にはもう遅く、あれよあれよという間に
ジプシーキングスをうんと若くしたような
黒いカーリーヘア、革ジャンの若者数人に路地にひきずりこまれていたのです。

少し離れて歩いていた友人の悲鳴で
アメリカ人観光客などが足を止めてくれたため、
そいつらはわたしを突き飛ばし、バッグを奪って逃げました。
翌月曜に被害届けを出しにいった警察署では
「いきなりナイフで刺されなくてラッキーだったね」とのこと・・・・

で、警察で半日以上潰れ、
翌日グラナダ行きのエアチケットを取っていたため
フィゲラスに行けなかったのです~(T_T)

ああ、生きている間にいつか行けるかしら?

ダリの人生を描いた映画「ダリ天才日記」も見ごたえありましたね。
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by Gloria-x | 2007-03-09 21:55 | 美術・芸術・音楽

ウォーク・ザ・ライン 君に続く道/Walk the line '05(米)

c0008209_20461732.jpg1950年代の伝説のシンガー、
ジョニー・キャッシュという人をまったく知らないので、
一夜にして大スター→家庭崩壊→麻薬に溺れる→凋落
→時代が求める音楽シーンの変化、
という流れを観ながら「悲惨な終わり方だろうなぁ」
と思ったら意外にもハッピーエンドでよかった。

フォアキン・フェニックスは俳優としてはいいと思うが、
わたしには濃すぎるし、シリアスすぎるし
今まであまり魅力を感じなかった。

でも今回は、ひたむきに愛する女に想いを伝える切ない表情とか、
麻薬断ちの禁断症状が山場を越えてぐったりしている時の目とか、
色気と保護欲を感じてしまった♪
余談だが、わたしは根がSなので男の弱った姿にけっこうそそられるのである。

リース・ウィザースプーンははっきり言って嫌いだ。
彼女の夫ライアン・フィリップが大好きなので顔を見るたびに
「なんでこんなしゃくれ女と!?」と忌々しい気分になる。

が、しかしさすが第78回アカデミー賞主演女優賞受賞ですな。
うまかったし嫌味がなかった。(顔はやっぱり嫌いだけど)

ヤク中のジョニーがボロボロになって突然訪ねてくると、
ここで受け入れたら男のためにならないと心を鬼にして追い返すが、
いったん面倒を見ると決めたら完璧に麻薬を断たせて
その後の仕事もサポートする。
しかし、ジョニーが何度プロポーズしても
「わたしには100%言いきれるけど、今はその時期じゃないわ」と
きっぱりとはねつける。かっこいい!
しかも、そのかっこよさが自然体というか、気負ってない感じなのだ。

小耳にはさんだところによると、リースはその気になれば
もっと格上の大女優になれるのに、
夫ライアンを失いたくないためにあえて仕事をセーブしているとか・・・
正直意外でしたね。あの顔からして(しつこい?)
手段を選ばない上昇志向の女かと思ってたわ。
う~ん、鼻につくし、しゃらくさい女だが、案外いい人?
ま、もう少し様子を見て判断しようっと。

監督は「アイデンティティ」を撮った人らしい。

'07 3 4 WOWOW ★★★★☆
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:フォアキン・フェニックス、リース・ウィザースプーン
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by Gloria-x | 2007-03-05 21:32 | 映画レビュー

父の手術 

母に続いて今度は父が入院。

以前から検討していた「椎間板ヘルニア」の手術のためで、
昨日、母と2人で手術前後の父に付き添いました。

手術は無事成功!
リハビリのためにまだ4週間ほど入院が必要なのですが
父は意外なほど元気で顔色もよくてひと安心です。

とはいえ、術後、酸素マスクをつけて
いろんな管をつけてベッドに横たわっている姿を見ると
先日の母の入院時にも痛感したことだけど
「ああ、歳取ったなぁ・・・」って複雑な気分・・・

ここでも何度か書いてますが
身内のことで恐縮ながら
父はクリント・イーストウッド+ジェレミー・アイアンズ似の男前なので、
ベッドに横たわって遠い目で虚空を見つめていると、
実際は弱ってぼんやりしてるだけなのに
なんとなく哲学的な思索にでもふけっているように見えます。
やっぱり、人間見た目がいいって得だなぁ~
わたしも父に似て生まれていたら人生変わってたかもなー、などと
場違いなことを考えていたわたし・・・(^_^;

担当医から手術結果の説明を受けたとき、
父の背骨から切除した「ヘルニア」を見せてもらったのですが、
シャーレの中のそれは石灰質のような、
ホルモンでいえば「ウルテ」みたいな質感。

実は、わたしも椎間板ヘルニアの持ち主
年に1~2回、突然激しい腰痛に襲われるため
自分の将来もけっこう心配なのです。

ああ、できれば歳を取っても手術や入院などせずに
寝ている間に安らかに死にたいなぁ~
って、誰でも同じこと願ってるんでしょうけど。

会社から病院に直行した妹と久々に夕食して帰ることに。
病院の近くで見つけた店は意外な拾い物♪
オーナーがわたしの好きな顔の「優男」だったし、料理もおいしくて
酒豪姉妹で赤ワインを2本空けました。
エスカルゴで上顎を火傷しちゃったけど、美味しかったー
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by Gloria-x | 2007-03-01 20:03 | 出来事・世間・雑感