ナンシー関大全/ ナンシー関 文藝春秋

'02年6月、若くして突然この世を去った著者の没後出版されたもの。
コラム傑作選、対談、私的コラムに加え
幼少期からの写真、両親と妹による著者を偲ぶエッセイなども収録。
未完の丁稚小説「通天閣はもう唄わない」は傑作!
あらためてすごい才能を失ったことが惜しまれる。
特に印象的だったのは・・・

『日本人の5割は「銀蠅的なもの」を必要としている』
世間は「不良」が好きだが、世の中が好きな不良はあくまでも
的場浩司や辰吉丈一郎系の不良であり、真木蔵人的不良は拒否される。
シンナーはいいけどドラッグはダメ、理解の範疇に収まる「不良」。
それが「銀蠅的なもの」で、工藤静香を抵抗なく「イイ女」「大物」
扱いしている現状がその最たるものだという。まさしく同感!

鈴木紗里名のことは「元ヤン」(元ヤンキー)と言うが、
工藤静香に対して誰も「ヤンキー」と公言しないのが不思議だ・・・

『新・旧「同棲時代」の大きな違い』
由美かおる主演「同棲時代」と柴門ふみ映画化作品「新・同棲時代」を比較。
映画を観てなくてストーリーさえ知らないのに、著者の同棲観は
由美かおるによって「同棲」=「陰湿な愛欲生活」と植えつけられたという。
それは「神田川」「赤ちょうちん」などの四畳半フォークによって
さらに確信を深め固定されたらしい。
「貧乏ですさみ、気を抜くと心中したくなるのでとりあえずSEXをしている」
これが著者の思う同棲らしい。爆笑&共感!

著者の同棲観は当時のわたしのそれに見事にシンクロ。
四畳半フォーク全盛の頃、子供だったわたしは
一応は世の流れに迎合してフォークも聴いていたけど、
「大人の恋愛ってこんなに暗くうっとうしいものなのか?」と
内心とほほ・・・と思っていた。
ユーミンが出てきて「こういう世界を求めてたのよ!」
と興奮した覚えがある。

'05 3 ★★★★☆
[PR]

by Gloria-x | 2005-03-04 18:34 | ブックレビュー