最後のウィネベーゴ/コニー・ウィリス

c0008209_2051240.jpg原題:The Last of the Winnebagos
伝染病によって犬が絶滅した近未来のアメリカ。
主人公のカメラマンという職業も精密なメカの開発によって滅びようとしている。
愛犬を失った哀しみを抱えて生きる孤独な男が出会ったささやかな奇跡・・・。

犬の真実が写真に出ないのは
顔に表情筋がないせいだ、と主人公は語る。
しかし、同じく表情筋のない猫の真実、
「気どり、ずるがしこさ、軽蔑」などの感情は
鮮やかに表に出る。

そして彼は気づく。ということは、
たぶん写真に写らないのは愛情だ。
愛は、犬が浮かべることのできる唯一の表情だから、と。


著者の名前は初めて知ったが、アメリカSF界の女王らしい。
SFといえばブラッドベリ、シオドア・スタージョン、クーンツなどを読んだ程度で
あまり馴染みがないが、この人の作風はSFというより
ロアルド・ダールスタンリー・エリンに近いような印象。

女性が完全に月経から解放された近未来世界をユーモラスに描いた「女王様でも」
一見まったくSFとは思えないシェイクスピア風の恋愛喜劇「タイムアウト」が秀逸!
大森望の訳文も◎

'08 8 ★★★★☆
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by gloria-x | 2008-08-04 20:27 | ブックレビュー