インサイダー/THE INSIDER '99(米)

c0008209_1405094.jpg米国の大手タバコ産業の不正を告発したTVプロデューサーと、内部告発者となった元タバコ会社重役の実話を描いた社会派ドラマ。

公開当時、試写会で観たが約10年ぶりに再鑑賞して
「ラッセル・クロウって演技巧いなぁー」と
今さらながらあ「らためて感心した。

私生活での芳しくない評判のイメージが強すぎて忘れがちだが、実は役柄の幅も多彩だし演技派なんですね。


この作品では役のために体重を増やしたそうで、
ダサい眼鏡をかけたどこから見ても冴えない中年男。
身体が重そうな歩き方や、人と話すときに神経質そうに首を傾ける角度、
頑固そうに固く引き結んだ唇など完璧な役作りである。

外見的なキャラ作りだけでなく、科学者としての信念と良心、
国民を騙し、自分を裏切った会社への義憤、
家族への愛情、自身のキャリアや経済面での不安など
様々な感情の板ばさみになって鬱屈するように苦悩する姿が見事だ。

奥さん役のダイアン・ヴェノーラもいい!
今にもプツンと切れてしまいそうに張り詰めた緊張感、
ギリギリの精神状態を理性でやっと保っている感じがものすごくリアル。
大企業の重役だったダンナが突然クビになり、
住み慣れた家を手放して都落ち・・・
夫は「今までよりつつましく暮らせばいいんだ。家族で過ごす時間も増えるし」と慰めるが、
そんなの慰めになってない、ていうか誰のせい!?って腹も立つよねー。
経済的不安だけでもパニックなのに、
やれ裁判で証言するだの報道番組に出演するだので脅迫メールや無言電話はくるわ・・・
女なら誰でもこう思うはず(わたしだけ?)
社会的正義や信念云々より、
まず家族の生活を守って!


アル・パチーノも素晴らしい。
報道に人生を賭け、情報源になってくれた人物は命がけで守るという
男気あふれる稀有な人物である。
初鑑賞時はラッセル・クロウ演じる告発者の方に比重を置いて観ていたが、
今回はアル・パチーノ演じる辣腕プロデューサーの人間的魅力を堪能できた。

シリアスな社会派で3時間弱という長さ、
こういう作品って何度か見直してみるのもいいのかも。

'08 6 WOWOW(再鑑賞)★★★★☆
監督:マイケル・マン
出演:ラッセル・クロウ、アル・パチーノ、クリストファー・プラマー
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by gloria-x | 2008-06-18 14:01 | 映画レビュー