異邦人/パトリシア・コーンウェル
スカーペッタシリーズ完全復活!
(わたしの中で)
'92年の第一作からのファンだが、
「黒蝿」あたりからなんとなく退屈というか、ただ読んでいるだけでストーリーに入り込めなかった。
13作目「痕跡」のレビューも不完全燃焼気味・・・
しかし、この最新作では久々に作品世界にどっぷり浸り、「次作が楽しみ!」という興奮と期待を感じた。
全米女子テニス界のスター選手が休暇先のローマで惨殺される。
ケイ・スカーペッタは法医学コンサルタントとしてイタリア政府の依頼を受け、
法心理学者のベントンと共に事件を調査する。
スカーペッタが移り住んだチャールストンという街や、
彼女の新しい住まいもオフィスも閉塞的なムードで読んでいて気持ちよくないが、
ベントンとの関係の新展開など、スカーペッタを取り巻く人間関係の行く末が気になる。
そしてなんといっても破滅的に激変したマリーノのこと!
わたしの中で、このシリーズのキャスティングは完璧にできあがっている。
ベントン・ウェズリー=スコット・グレン(@「羊たちの沈黙」)
ピート・マリーノ=バート・ヤング(@「ロッキー」)
またはデニス・フランツ(@「殺しのドレス」)
ルーシー=マーサ・プリンプトン(@「旅立ちのとき」)
ルーシーはシリーズ初期のキャスティングなので、
大人になった現在はちょっと違うかも・・・
そして、主人公ケイ・スカーペッタはなぜか著者パトリシア・コーンウェルなのだ。
内心「違うよねー」と思いつつ、ぴったりの女優が見つからないまま来てしまった感じ。
そういえばデミ・ムーアで映画化という話もあったよねー。
映画化してほしいけど、自分のイメージとかけ離れたキャストだとがっかりだし、
長年のファンとしては複雑な気持ちである。
by gloria-x | 2008-06-11 18:49 | ブックレビュー