いつか、どこかで Where or When/ アニータ・シュリーヴ 新潮クレストブックス

パイロットの妻」が秀逸だった著者の作品だが期待はずれ。
著作の順としてはこちらが古いのが救いだと思う。

ニューイングランドの鄙びた町で保険業を営むチャールズと、
ペンシルバニアの農場主の妻で、大学で教える詩人でもあるショーン。
ショーンが出版した詩集の広告を偶然見つけたチャールズは
著者の写真を見て31年前の初恋の相手だと確信する。
ふたりは14歳の時、サマーキャンプで共に一週間を過ごし、
お互いに恋心を抱きながらも以来音信不通だった。

共に家庭を持つ中年男女が恋に落ちる。
別に珍しくもない話だけど、それはまあいいとして
結婚生活がうまくいっているといえない男女が出会えば
待ってましたとばかり飛びついて当然。
しかもそれが14歳の頃の初恋の相手だったら
「運命だ!」なんて思い込んで深みにハマってもなんの不思議もない。
そんな安っぽい不倫話をわざわざなんで書く?

結婚相手を愛しているのに、はからずも他の異性を愛してしまうというなら
まだ登場人物の葛藤や苦悩に深みもあるけれど、
夫や妻への愛が冷めた男女がお手軽な不倫道を突っ走って
恋愛初期にありがちな不安定な心理状態に陥ろうが
罪悪感や葛藤で苦しもうが、自分たちで勝手に盛り上がってるにすぎない。

主人公チャールズに最後までどうしても好感が持てなかった。
彼がショーンに書き送る手紙や、デートの演出は寒いしうっとうしい!
そんな男と恋に落ちるショーンにも必然的に感情移入できず・・・
特にチャールズの妻に対する仕打ちは最低で同情の余地もない。

'05 2  ★★★☆☆
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by Gloria-x | 2005-02-26 01:03 | ブックレビュー