愛されるために、ここにいる/Je ne suis pas la pour etre aime'05(仏)

c0008209_1614189.jpgフランスで異例ともいえる半年以上のロングランヒットを記録したという恋愛映画。

「恋愛至上主義」の国フランス、
さらに情熱的なタンゴがモチーフなのに
大胆なラブシーンや濃厚な愛情表現は皆無。
淡々と控えめなのが意外でよかった。

しかも、フランス映画お得意の理屈っぽいセリフの応酬がないのも◎
あとからじんわり沁みてくる映画って感じ。


人生に疲れた50男ジャン・クロードと、結婚を間近に控えたフランソワーズ。
タンゴ教室で知り合った二人が惹かれあい、少しずつ心を通わせていく・・・

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裁判所の決定をもとに支払いや立ち退き勧告を行う執行官のジャン・クロードは
仕事に疲れ、離婚して孤独で侘しい私生活。
恋愛の国フランスの中年男なのにエスプリ感やセクシーさゼロ、
若い女が積極的に接近してきても、舞い上がるどころか
おずおずとした態度でしか接することができない。
この不器用で枯れきった感じがよかった。

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フランソワーズは結婚間近というからにはそこそこ若い女という設定だろうし、
ダンス教室でもナンパされるなど、きれいどころとして描かれている。
しかし、ひっつめ髪のほつれ具合や目じりのシワに生活感が出ていて
なんとなくドラマの中の風吹ジュンのように見える。
なので、最初は中年男女の恋愛モノかと思ったほど。
彼女の方からジャン・クロードに積極的に近づくのだが、
ただ無邪気なのか、誘惑してるのかよくわからん態度で、
こちらも恋の国フランス女らしからぬウブさ。

c0008209_1616148.jpg老人ホームにいる父親をジャン・クロードは
週末ごとに訪ねる。
偏屈で可愛げのない父親は家族から見放され、
ホームの職員からも持て余されている。
この父親がほんとにイヤなジジイなのだ!
口を開けば文句たらたらで人を罵り、侮蔑する。
ジャン・クロードがキレないのが不思議なくらい。

そのくせ息子が帰るのをカーテンの陰から
じっとりと寂しげに見送ってたり・・・
心で思っていても愛情を表現できず、人間関係をうまく結べない人なのだ。

この父と息子の関係の顛末は途中で予想がつく。
こういう結末にホロッとさせられる観客も少なくないだろうけど
(テニスの優勝カップの件など日本人は特に好きそうだ)
わたしは大嫌い!ジジイには同情の余地なしだと思う。

愛情は出し惜しみせず、
言葉や態度で表現するべし!


'08 3 WOWOW ★★★★☆
監督:ステファヌ・ブリゼ
出演:パトリック・シェネ、アンヌ・コンシニ
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by gloria-x | 2008-03-23 16:16 | 映画レビュー