アメリカン・ギャングスター/AMERICAN GANGSTER '07(米)

c0008209_20141514.jpg
さすがリドリー・スコット、見ごたえあったー!
152分もの長丁場と後で知っても意外なほど。
昨年、信じられないことにディパーテッドが作品賞でオスカー獲ったけど
同じジャンルならよっぽどこっちがふさわしいと思う。

N.Yハーレムで麻薬王としてのしあがっていく男と、
汚職があたりまえの警察組織の中で正義を貫こうとする刑事。
ストーリーが進行するにつれ、
ニコラス・ケイジ主演「ロード・オブ・ウォー」に似ているなぁと思った。
基本的には真面目でまともな男が非合法のビジネスで才能を開花させ、
桁外れの大物にのしあがっていく。
大金、美しい妻、趣味のいいライフスタイルを手に入れ、
成功するほど私生活は堅く控えめになっていく。
やがて大きくなりすぎたビジネスに綻びが生じ、
捜査の手が伸び、家庭は崩壊、すべてを失うが・・・・

どちらも実話ベースなのが興味深い。
時代や扱うブツは変れども、所詮、
成り上がり裏稼業の辿る道は同じということなのだろうか。

世の中に掃いて捨てるほどある盛者必衰の物語を
リドリー・スコットは必要以上に脚色したり、奇をてらう演出をせず
密度の濃いずっしりした映画に映画に仕上げたと思う。

デンゼル渋いです!貫禄と揺らがない信頼感というか、安心して観ていられる。
ラッセルは毎度なぜか期待値のハードルを低く見積もっていて、
いざ観ると意外な好演と存在感で見直す結果に・・・。
(ほめてるんだかけなしてるんだかわからんが)

c0008209_22494576.jpg
幸福の絶頂である結婚式の日、麻薬王の夫婦生活に早くも不吉な影がさす。
早くも夢から醒めたかのように疲れた仕草でベールを外す花嫁。
しかし、彼らの破綻の最初の一歩というか、妻の心が離れるきっかけは
その後の夫の行為にあったとわたしは思う。

一方、刑事の結婚生活もとっくに破綻している。
元妻が離婚調停の席で思わず発した
「ワイロをもらっても、いい夫、いい父親でいてくれたほうがよかったわ」
的なセリフにはわたしも大いに共感。

c0008209_20143733.jpg
デンゼルの実弟役のキウェテル・イジョフォー(↑右から2人目)や
わたしが勝手に「蟹江敬三」と呼んでいた
汚職刑事役のジョシュ・ブローリン(↓)の強烈なワルパワー、
ラッセル率いる麻薬捜査特別チーム一員の
とろんとした目つきの痩せアフロ男など脇役陣に味があっていい。

c0008209_20144877.jpg
余談だがダーリンは「L.Aコンフィデンシャル」当時、
ラッセル・クロウに似ていると何度か言われたことがある。
演技者としては好きだけど私生活の暴れ者イメージは嫌いだし、
ダーリン自身はむしろデンゼルが演じる役に近いタイプなのだが、
角度によっては似てなくもないので複雑なところだったが、
このたび「ラッセル・クロウに似ている」封印を決定。
だって、ラッセル太りすぎの単なる中年男で、
ダーリンのほうが何倍かかっこいいんだもーん!(すみません(-_-;)

c0008209_20145889.jpg


'08 2 6 劇場 ★★★★★
[PR]

by gloria-x | 2008-02-08 20:15 | 映画レビュー