一人二役/河本準一

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リリー・フランキー著「東京タワー」を読んだ時にも思ったけど、母と息子の関係って、
母と娘のそれとはまったく別物。
比較にならないくらい密度の濃いもののようだ。

わたしの母も娘3人の後に弟を産み、後年、
「男の子を産んで初めて、
子供の可愛さがわかった」

なんてことをしゃあしゃあと、しかも自分が産んだ娘であるわたしに話すくらいなのだから、
やはり息子って特別な存在なんでしょうねぇ・・・。

どっちにしても、こんなに無条件で信頼しあい、
すべてを許し、受け入れて愛し合う親子関係って、
うらやましいけど、わたしには想像するだけで実感が伴わない。

お笑いコンビ次長課長の河本のオカンは
「すべらない話」でも一際異彩を放つ強烈なキャラクターであるが、
それは女手ひとつで息子を育て上げるために、あえて女を捨てて
「オヤジとオカン」の一人二役を演じてくれたのだと河本は書く。
数々のエピソードは笑いあり涙あり、驚嘆と尊敬の連続である。
オカンも河本もきわめて純粋でまっすぐな精神の持ち主で、
しかもタフで健全な人なのだということがわかる。

「環境を恨まず、見方を変えて、新たな可能性を見出して欲しいということ。
日常の行動パターンを少し変えれば、
現状から脱却できる抜け道は必ず見つかる。待ってるだけじゃ変わらへん」

重みと説得力のある、あとがきの言葉に深く共感した。

「東京タワー」と比べるのもなんだが、作品そのものはさておき
リリーさんとオカンの関係より、河本とオカンのそれのほうが
二人の間に流れる空気がカラリと感じてわたしは好きだ。

余談だけど、わたしは河本の歌(特に女性歌手の)が大好きで、
カバーアルバムを出してほしいと真剣に願っている。

'08 1 ★★★★☆
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by gloria-x | 2008-01-30 22:47 | ブックレビュー