リプリーズ・ゲーム/RIPLEY'S GAME '02(米・英・伊)

c0008209_1312153.jpgパトリシア・ハイスミスが生み出し、アラン・ドロン、マット・デイモンが演じたトム・リプリーのその後の人生を
ジョン・マルコヴィッチが演じるサスペンス。

初老になったトム・リプリーはイタリア北部ヴェネト州郊外のお城といっても過言ではない屋敷で若い妻と暮らしている。美術品ディーラーであるリプリーは、アンティークの楽器を見つけて職人に修復させ、ハープシコード奏者の妻を喜ばせることに楽しみを見出すような優雅な暮らしである。
そこへ突然、昔の仲間が訪ねてくる。

元共犯者リーブズは商売敵のロシアン・マフィア殺害をリプリーに依頼。
即座に断るリプリーだが、酔狂な思いつきで自分の代わりにある男を推薦する。
それは同じ街に住む額縁職人ジョナサンで、彼はリプリーのことを
「金はあるが教養のない低俗なアメリカ人」と陰口を叩いていたのだった。
ジョナサンは骨髄性白血病で余命わずかな身で、妻と幼い息子の将来を案じていた。
真面目な市民であるジョナサンに、金で殺しを請け負わせることはリプリーにとって新しいゲームなのだった。

ハイスミスってアメリカ人なのに、作品に漂う空気はヨーロッパテイストだなぁと思ったら両親がドイツ系とスコットランド系で、アメリカよりヨーロッパで過ごした年月が長いらしい。
「太陽がいっぱい」はもちろん、わたしはリメイクの「リプリー」も好き。まず映像が美しいし、主人公リプリーの内面の苦悩はオリジナルよりも切実に伝わってきたように思う。

これも「愛の嵐」のカヴァーニ監督ということもあり、しっとりしたヨーロッパムード満点。
そういえばマルコヴィッチもアメリカ人なのにヨーロッパ映画でしっくりなじむ空気をまとっている。彼が演じるリプリーがいい。感情をほとんど出さず、囁くように話し、猫のようにひっそりと動く。そして淡々と人を殺す。
あのリプリーが結婚していたというのは意外だが、さすがマルコヴィッチ「危険な関係」のねっとりした卑猥さは健在!
「まずうつ伏せになって」と執拗に妻に命じるシーンがエロい。
唯一不満だったのは妻役の女優が硬質な感じでイマイチなこと。
リプリーは基本的にゲイだからオンナ、オンナした女性はダメなのかもしれないけど、もっと色っぽい女優にしてほしかったなぁー。

ど素人の、しかも余命短い病人がマフィアの親分暗殺に成功。
さらに次は列車内での絞殺という、プロの殺し屋でも難易度の高い技を要求される。
よく考えればムチャクチャな話だが、なぜかさほど違和感なく納得して観てしまう。
抑えたトーンの演出と、ジョナサン役のダグレイ・スコットの深刻顔の力か・・・

元共犯者役のレイ・ウィンストンもいい味出している。

'07 9 DVD ★★★★☆
監督:リリアナ・カヴァーニ
出演:ジョン・マルコヴィッチ、ダグレイ・スコット、レイ・ウィンストン
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by Gloria-x | 2007-09-17 13:13 | 映画レビュー