百年恋歌/最好的時光 '05(台湾)

c0008209_22565753.jpgほの暗い室内から黄昏時の屋外を撮った画、
ペールブルーを背景に電球の傘がぽつんとひとつ。
そこにプラターズの「煙が目にしみる」が流れ、
一九六六年 高雄   という縦書きのテロップ。
ファーストシーンだけで瞬時にこの映画の虜!
なんともいえない色気がたちのぼるってくるオープニングである。
1966年、1911年、2005年、
3つの時代の台湾を舞台にした3つの恋の物語。
個人的には1966年を舞台にした
第一話「恋愛夢」がいちばん好き。

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ひなびた町のビリヤード屋で働く女と、兵役で町を離れる男の淡い恋。
スー・チー扮する若い女は台湾各地のビリヤード屋を転々として住み込みで働いているという設定。男性客の相手をして玉突きをするけど、流れ者のハスラーって感じでもないし、水商売風にスレた感じもないし、どういう女のコなのかすごく気になる。
経営がなりたっているのが不思議なほどの田舎町のビリヤード屋なのに、住み込みで若い女の子を雇い(しかも垢抜けたコ)、ひとり辞めるとすぐ次のコが来る雇用システムはすごく気になるが、これは一種の御伽噺と観たほうがいいのか・・・?

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玉突きをするチャン・チェンの表情に釘付け!かっこよすぎ!
くわえ煙草の煙に目を細めて狙いを定めると、
さりげなくスー・チーが灰皿を台の端に置いてあげたりして、
煙草は大嫌いだけど映像の小道具としてはやっぱりかっこいいのよねぇ・・・
今さらだけど「2046」の某日本人アイドルの役は彼にやってほしかった!

一度いっしょに玉を突いただけの女を探して台湾の町を訪ね歩くチャン・チェン。
渡し舟の舳先に座って海を見つめる姿は
昔の日活スター(知らないけど)みたいな雰囲気だ。
この人、若いのに不思議と往年の映画俳優的な風格を備えているので
こういうレトロな作品にもしっくりなじむのがいい。
岡山、台南、嘉儀、水上、新営、大林、南斗など
右から左へ読む道路標識が流れていくシーンが妙に切なくていい。
男は虎尾という町でやっと彼女を見つける。
客と玉を突く彼女の後ろにそっと控えて立つチャン・チェンのこみあげる喜びを抑えきれない笑顔、気配に振り返って彼に気づき、嬉しさと照れくささのあまり笑い出すスー・チー、
このシーン(上の写真)のスー・チーの白いブラウスが清楚でいい!
出会いからラストシーンまで、
全編恋の始まりの新鮮さと嬉し恥ずかしなときめきがあふれ出ていて気持ちいい。

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1911年が舞台の「自由夢」は無声映画で台詞はその都度字幕画面に切り替わる。
教養のないわたしには時代背景や主役男女のバックグラウンドがイマイチよくわからなかったのだが、インテリアや衣装は見ごたえたっぷりで、主演2人のクラシカルな美しさが映える。
同監督の「悲情城市」もそうだったが、台湾の亜熱帯という風土性なのか、外と内の境界があいまいな印象の住居空間にそそられる。
開放的なのにほの暗くひんやりした土間に、どっしりした家具や観葉植物が陰影を作り、時間さえもゆったり流れて居心地よさそう。

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2005年が舞台の「青春夢」は話的には苦手なジャンルで正直しんどかった。
しかし、現代モノなので主演2人の存在もシズル感がある。
注目はスー・チーのアイメイク、以前からこのテの目化粧に興味津々なのだが、
いったいどうやるんだろう?
でも、わたしの目だとこんな風に陰影が出ずタヌキになってしまうんだろうなー、
などと考えつつ半分眠たかったのも事実・・・・
この3話目が☆4つにとどまった原因。

'07 8 DVD ★★★★☆
監督:ホウ・シャオシェン
出演:チャン・チェン、スー・チー
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by Gloria-x | 2007-08-21 23:00 | 映画レビュー