北京ヴァイオリン '02(中国)

c0008209_1426062.jpg「えーっ!そんな結末あり?」
すべてをひっくり返すありえないラストに呆然・・・
名作なのか駄作なのか?

中国の田舎から北京に出てきた貧しい父子。
息子を一流のヴァイオリン奏者にすることが
父の夢であり、生きる目的である。
息子は稀有な才能の持ち主だが、
コネがないせいでコンクールは5位止まり、
音楽学校にも入学できない。

「世界中が泣いた」というキャッチコピーに
寡黙で厳格な父と純粋な息子の
シリアスで文学的な作品かと覚悟していたら、
軽妙なタッチで展開も早くて観やすい。
息子のためなら恥をかくことも怖れず、
どこまでも厚かましく捨て身でぶつかっていく父のキャラクターが
よくも悪くもケタ外れでこの映画の肝だ。

息子役の少年がなかなか魅力的である。
切れ長の涼しい目にあっさりした顔だち。それだけなら平凡なのだが、
ひょろっとした体型と、演奏時の表情に色気があっていい。

物語はベタすぎる展開でけっこう雑で散漫なのだが、
父子に加え、最初のヴァイオリン教師や
少年が想いを寄せるリリというちょっといかがわしい女など
主要キャストが魅力的なので惹きこまれてしまう。

特にリリ役の陳紅(チェン・ホン)がいい。
ちょっと藤原紀香に似ているなーと思ったのだが、
従来の中国映画のヒロインに抱いていた先入観を見事に覆す
伸び伸びしたナイスバディで、
重さや湿り気皆無な存在感が気持ちよかった。

ああ、それなのに・・・
結末だけはどうしても納得いかない。
さらば我が愛~覇王別姫を撮った監督とは思えない。
ラストの演奏シーンがクライマックスで感動的なだけに
あのシーンを国際コンクールの舞台にしてほしかったと思うのは
わたしだけではないだろう。

'07 5 DVD ★★★☆☆
監督:陳凱歌(チェン・カイコー)
出演:唐韻(タン・ユン)、劉佩奇(リウ・ペイチー)、陳紅( チェン・ホン)
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by Gloria-x | 2007-05-31 14:28 | 映画レビュー