パイロットの妻/ The Pilot's Wife  アニータ・シュリーヴ    新潮クレスト・ブックス

深夜、夫が操縦する旅客機の墜落事故の報せが届く。
その直後、キャスリンは夫・ジャックのポケットから謎めいたメモを発見。
夫の突然の死という悲劇に耐える間もなく、
次々と信じがたい事実が明らかになる。
結婚15年、ひとり娘をもうけてからも夫婦というより
恋人同士のような熱烈な愛情が続いた夫婦関係、
自分たちは完璧にしあわせな家族だと信じていたキャスリンは
事故をきっかけにジャックの衝撃的な秘密に向き合うことになる。

ものすごい吸引力!読み始めてすぐ引き込まれ、
完全に夢中になって一気に読んだ。
文学的な深い味わいとミステリー要素のバランスが絶妙である。
ストーリーの持つ力に加え、キャラクター造形がしっかりしていて魅力的。
心理描写、情景描写もすばらしい。(翻訳の文体も◎)

自分たちは愛し合ういい夫婦だったと言い切るキャスリンが、
少しずつ思い出す過去のエピソードに含まれる波風の暗示、
秘密が明らかになるにつれ、心にひっかかっていたことに
事実というピースがパズルのように合う展開がスリリング。

事故の報せを伝えに来て以降、キャスリンの支えになる
ロバート・ハートのキャラクターがとてもいい。
映画化されるならこの役はジェイソン・ステイサムがいいなぁ。
キャスリンはミシェル・ファイファーかな・・・

新潮社のこのシリーズはジュンパ・ラヒリ、チャンネ・リーなど
よい作品が出版されているので海外の小説を選ぶ目安になる。

'05 1 ★★★★★
[PR]

by Gloria-x | 2005-02-02 16:41 | ブックレビュー