そして、一粒のひかり/MARIA FULL OF GRACE '04(コロンビア)

c0008209_19594645.jpgコロンビアの田舎町。
17歳のマリアは家族の生活を支えるため生花工場で働いている。
夢も希望もない日々の中、
マリアは心から愛しているわけでもない
ボーイフレンドの子供を妊娠してしまい、
工場もクビになる。
祖母、母、出戻りシングルマザーの姉とその子供、家族は生活費をどうするつもりかとマリアを責める。
手っ取り早く稼ぐためにマリアが選んだのは麻薬を飲み込んで胃に収め、
飛行機でアメリカへ運ぶ仕事だった。

目を離せない力強さを持った作品。
マリア役のカタリーナ・サンディノ・モレノの無表情だが凛とした顔がいい。


麻薬の包みをスムーズに飲み込むためにブドウで練習するのだが、
現物の方がかなり大きいし、しかも50~60粒という数が衝撃!
飛行機のトイレで身体から出てきてしまった包みを、洗って再度飲み込んだり、
体内で包みが敗れてしまった仲間が体調悪くなったり、
包みを排出するためにモーテルの一室に軟禁されたり、
もう観ているだけでぐったり・・・

出戻って自分は働きもせず子供の薬代までマリアに出させる姉や、
それを当然とする母親には唖然。
わたしがマリアだったら家を出て一人で暮らすけどなぁ・・・
こういう家族の絆の縛りってラテン社会特有なのかも。
甲斐性なしのボーイフレンドは妊娠を知って一応結婚しようと言うけれど
部屋ひとつに10人くらい寝起きしている自分の実家で暮らすのが当然と思っているし、
マリアの八方塞な状況は悲惨としか言えないが
それを泣いたり嘆くより、とにかく前へ進むために行動するマリアのたくましさがいい。

それにしても理解不能なのが、
愛してもいないボーイフレンドの子供なのにアクシデントとは思わず、
迷いなく産む方向のみに突き進むマリアの選択。
これはマリアがカトリックだから?
生まれた子供も幸せになれそうにないし、
せっかく難関を突破してアメリカ入国できたんだから
身軽になって新しい人生をスタートさせればいいのに、と
他人事(しかもフィクション)ながら正直歯がゆかった。

'06 10 WOWOW ★★★★☆
監督:ジョシュア・マーストン
出演:カタリーナ・サンディノ・モレノ
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by Gloria-x | 2006-11-23 20:10 | 映画レビュー