アッコちゃんの時代/林真理子

バブルの時代、金と権力を持つ男たちを虜にした究極の小悪魔”アッコ”。
地上げの帝王と言われた男の愛人を経て、キャンティ御曹司の妻になり
伝説となった実在の人物をモデルにした長編小説。

バブルという時代を知識としては知っているが、
情けないことにほとんど実体験として知らないので
バブルをテーマにした小説を読むと、毎回
「へえ~、あの頃のことかぁ」と再学習する始末・・・

当時、わたしはバイトしながらコピーライター養成講座に通っていた。
コピーライターが花形職業だった時代なので、卒業したものの就職できず
いきなり名刺を作ってフリーで手当たり次第仕事をするという
無謀な道の荒波に漕ぎ出した頃で、いちばん貧乏だった時代。
同世代でもその時代に女子大生や企業のOLだった人たちは
たっぷりとバブルの恩恵を受けたらしいが、
その話題になると浦島太郎か外国人のような気分になるのが哀しい・・・

時代そのものの記憶はあるが、実体験が伴わないので
新鮮でもあり、同時に悔しい思いでいっぱいになった。
そして、この作品にも著者自身の一貫したテーマである
「東京で美人に生まれて得な人生を送る女に対する」
憧憬と嫉妬の入り混じった感情が作品に色濃く出ている。


タイムマシンであの頃に戻れるなら、
わたしももっと賢くバブルの恩恵に預かりたいものだ。
あ、でもその前に美人に生まれ変わることが先決か・・・

'06 10 ★★★★☆
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by Gloria-x | 2006-11-08 10:07 | ブックレビュー