顔 '99(日)

c0008209_16534388.jpg日本映画の中でたぶんベスト5に入る好きな映画。
久しぶりに観なおしたけど、やっぱり見ごたえあるわ~

男優が豊川悦司と佐藤浩市、
わたしにとってフォアグラと鴨、or ロブスターと仔羊、
とにかく大好物2品を並べられたような贅沢な作品だ。


2人は新・仁義なき戦いでも共演しているけど
個人的にはこの作品の役が好み。


特にトヨエツ!ヤクザから足を洗って田舎へ帰って来た男という設定で、
初めて登場する別府駅に降り立ったブラックスーツ姿、
姉(大楠道代)が経営するスナックのカウンターで
黙々とグラスを磨く白シャツ姿、くわえ煙草の表情・・・
ナイフみたいなという表現がぴったりで
もう全身から色気が滴っていて妖気がすごすぎ!

一方、佐藤浩市はリストラされて田舎へ帰ってきた妻子あるサラリーマン。
持ち逃げしたデータをネタに会社から金を引っ張ろうとするがうまくいかず、
妻にも逃げられ、幼い息子を連れて焦燥の日々を送っている。
都落ちしながらもまだギラギラ感をキープしていてこちらも色気たっぷり。


美人の妹(牧瀬里穂)に対するコンプレックスを抱いて、
ひきこもり同然の生活を送っていた正子(藤山直美)は
母の葬儀の夜、長年の恨みを爆発させて妹を殺害。
香典袋をバッグに詰め込んで家から逃げたのは
ちょうど阪神大震災の日だった。
殺人容疑で指名手配された正子は行き当たりばったりながらも
しぶとく逃亡生活を続けて生き延びていく。

藤山直美は正直あまり好きではないが、さすがに上手い!
西のキャシー・ベイツ@「ミザリー」、東の藤山直美@「顔」
両者女を捨て切っての怪演だが、藤山の圧倒的勝利って感じ。

さらけ出すっていうのはこういうこと、
ちょっと激しい濡れ場を演じたくらいで「すべてをさらけ出しました」
なんて言う女優たちに爪の垢を飲ませたい。

そして大楠道代はいつ見てもかっこいい!
生まれ変わったらあんなタイプ(容姿)になりたい。
トヨエツとの姉弟関係で番外編作ってほしいくらいだ。

正子の母が営むクリーニング店兼住居のごちゃごちゃした生活感、
姉妹の恐ろしく辛辣な会話、
正子の逃亡先・岸辺一徳が経営するうらぶれたラブホテルや
別府で大楠道代が経営する田舎のスナックetc・・・
すべてが生々しいリアリティにあふれている。
途中で福田和子をモデルにした逃亡犯として登場する早乙女愛も印象深い。
岸辺一徳、中村勘九郎、國村準など味のある脇役陣も魅力。

'06 10 ビデオ ★★★★★
監督:阪本順治
出演:藤山直美、豊川悦司、佐藤浩市、大楠道代、牧瀬里穂
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by Gloria-x | 2006-11-02 17:31 | 映画レビュー