いつも旅のなか/角田光代

26ケ国、回数なら30数回の海外旅行経験者である著者の旅エッセイ。

バックパッカー系で東南アジア、特にタイが大好きという著者。
根本的に違うタイプなのは明らかだが、
特に体質が違うんだなぁとしみじみ思った。
わたしは汗っかきで暑さと湿度にたいへん弱いので
タイに行くことを想像しただけで既にぐったり・・・・
パクチーやニョクマムも苦手だしね。
やはり土地・風土との相性というのもあるんだなぁ。

著者の旅にはある決まったパターンがあったという。
タイでもマレーシアでもベトナムでも、
ひとりで行くといつの間にか地元の誰かと仲良くなり、
毎日彼らが自転車やバイクや車に乗せて
あちこち連れ回して遊んでくれたらしい。
たとえばランカウイ島では地元の男のコ3人と友達になり、
毎日バイクやボートに乗せてもらって遊び、
真夜中の海で釣りをし、釣った魚でバーベキューした後は
砂浜の砂を掘り、人型ベッドを作って雑魚寝したとか・・・

こういうエピソードを読むと、下世話だけど、当然の疑問がわいてくる。
「ほんとに海で泳いだり釣りしたりして子供みたいに遊んでただけ?」
「アバンチュールっぽい空気はまったくなかったの?」


著者が山田詠美や岩井志麻子なら
わざわざ書いてなくとも合点承知なんだけど、
角田光代なので首をかしげてしまうのだ。

「そうよね~、若い女が一人旅でなんにもないはずはない。
著者は自分の物書きとしてのスタイルを心得ているから、
あえてそういう空気を排除してるんだわ」

と自分を納得させる大きなお世話なわたし。

しかし、表紙の著者の写真を見ると、わたしの邪推を笑うかのような
可愛いけど小柄で子供体型。やっぱり書いてあるとおり?

'06 9 ★★★★★
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by Gloria-x | 2006-09-22 22:49 | ブックレビュー