クラッシュ/CRASH '05(米)

c0008209_2253290.jpg深夜のハイウェイで起きた追突事故を発端に、
L.Aに住む様々な人種と階層の人々の
2日間に起きた出来事を描く。
韓国人の車に追突された黒人とヒスパニック系刑事コンビ、
黒人の自動車強盗と被害者の白人地方検事夫妻、
人種差別主義者の白人警官と黒人のTVディレクター夫妻、
ペルシャ人の雑貨店主とヒスパニック系の錠前屋・・・
人種間の憎悪と恐怖、自己防衛本能が渦巻いて衝突し、
さらに激しいクラッシュの連鎖になっていく。


アカデミー賞関連でずっと気になっていた作品。
かなりヘビーでしんどいであろうことを覚悟していたが、
意外にも救いのある内容で後味もよく、期待を上回る出来だった。

約15年前、当時妹が住んでいたS.Fからラスベガス、グランドキャニオン、
アリゾナを経由して車でL.Aに入った。
青い空の下、パームツリーが揺れる道路を走りながら
最初に肌で感じたのが「ものすごくストレスフルな街だなぁ」。
危険な目にあったわけでも、事件や事故を目撃したわけでもなく、
お気楽な観光気分で現地在住の友人宅へ向かっているのに、
それまで滞在していたS・Fや近郊の街とは違う
L.Aの街自体が発する「気を抜いてたらエライ目にあう」
という負のエネルギーがひしひしと伝わってきた。
正直「ここで暮らすのってすごく大変そうだなぁ」と素直に思ったが、
その時のL.Aに対する第一印象を思い出した作品。

冒頭からいきなり人種差別意識剥き出しのヒステリックなセリフ全開。
しかも登場人物の誰もがアドレナリン噴出状態で怒りまくっていて
その毒気にあてられたようになる。
さらに、一触即発の不穏な空気と暴力の予感に一瞬たりとも気が抜けず、
祈るような気持ちで画面に釘付けになり、肩に力が入るのだが・・・

脚本がうまい!
バラバラに展開するエピソードの主人公たちが、映画の進行に従って
それぞれにつながっていたことがわかるという群像劇だが、
人間は誰しも善悪や清濁、強さと弱さを併せ持つ生き物だということを
リアルで自然に描いていて共感を呼ぶ。
たとえば差別主義者の白人警官や黒人の自動車強盗など、
映画の前半と後半ではキャラクターとしての印象がガラっと変わるが
無理のない描写で違和感なし。

個人的なことを少々・・・
ライアン・フィリップってものすご~く好み♪(嫁はキライ)
ドン・チードルってどの作品を観ても生理的に苦手。
サンドラ・ブロックって嫌な女の役も上手いなぁ・・・
ブレンダン・フレイザー(好き)誰かに似てると思ったら極楽とんぼの加藤?

監督:ポール・ハギス
出演:ドン・チードル、サンドラ・ブロック、ライアン・フィリップ、
    ブレンダン・フレイザー、マット・ディロン
'06 9 DVD ★★★★★
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by Gloria-x | 2006-09-10 22:21 | 映画レビュー