翻訳夜話/村上春樹・柴田元幸

海外の小説を翻訳することが好きで好きで仕方のない二人が、
翻訳に対する愛情やこだわりなどを思い切り語り明かした本。

わたしは子供の頃から母の影響で
英仏の古典文学を読みふけって育った。
中学生でサガンに心酔、高校生くらいからは
サキ、カポーティ、ロス、ダール、
英米ミステリやスウェーデンの警察小説などなど
ジャンル不問で手当たり次第に読み、
大人になってからは一時期アーウィン・ショーにハマった。

とにかく翻訳小説ばかり読んでいたので、日本文学よりも
その空気に馴染んでいるし、スムーズに世界に入っていける。
しかし、翻訳小説は訳者がダメだととても読めたものじゃなく、
そのせいで途中で読むのをやめた小説もたくさんある。

同じ作品でも訳者によってこんなに印象が変わるのだと
いうことをあらためて明確にしてくれたのが
村上春樹がポール・オースターを、
柴田元幸がレイモンド・カーヴァーを、
お互いの既翻訳作品を訳して読み比べする「海彦山彦」。

ハーヴェイ・カイテル主演の「スモーク」の原作が
オースターだったとは恥ずかしながらまったく知らず、
しかもかなり以前に観た映画だったので
読みながら「この話、どこかで・・・」と気がついていく
過程の感覚が妙に気持ちよかった。

'06 4 ★★★★★
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by Gloria-x | 2006-04-22 21:43 | ブックレビュー