嫌われ松子の一生/山田宗樹

印象的なタイトルから期待したのは
映画「蜘蛛女」のレナ・オリンか
桐野夏生著「アイムソーリー・ママ」の
主人公みたいなとことん強烈な悪女、
もしくは有吉佐和子「悪女について」の
富小路公子みたいに様々な顔を持つ
魅力的なキャラクターの登場だったのだが・・・

主人公・松子は「嫌われ」と称されるほどの悪女じゃないし、
世間の常識から外れた人種でもない。
気の毒なほど不運というだけで本人は純粋で真面目な女で
おもしろみに欠け期待ハズレだった。

著者の文体には気になる癖がある。
登場人物の行動を必要以上に描写しすぎ、
そのせいでダラダラした印象を受けるのだ。

たとえば、自転車で出かけるだけの描写に

「財布の中に入れておいた鍵を差し込むと、がちゃんと音がして、
スポークの間に突き出ていたロック棒が引っ込む」

自転車という乗り物が珍しい時代ならいざしらず、
鍵の構造まで説明するのは無意味。
これはほんの一例で、場所の説明なども不必要に詳細で
何か隠された意味があるのか?と
その癖に慣れるまで深読みさせられた。

'06 3 ★★★☆☆
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by Gloria-x | 2006-03-05 13:21 | ブックレビュー