帰ってきたもてない男 -女性嫌悪を超えて/小谷野敦 ちくま新書

かなり理屈っぽくて辟易する箇所も多いが、
著者の本はけっこうおもしろいのでよく読む。
このひとの2大アイデンティティは「東大大学院卒」と
「もてない(恋愛経験がほとんどない)」につきるようだ。
前作に続き本書でも、現代社会で恋愛することがいかに困難かを延々と論じている。

自由恋愛が解禁になったおかげで、異性から選ばれない男女が出現してしまった。
恋愛できるできないは個人の能力であり、
努力したからといって誰もが一流のバイオリニストになれないように、
がんばっても恋愛できない男女はいる、という説は確かに説得力はある。
彼の持論を読んでいると、偶然の出会いから恋愛結婚した
自分のプロセスがまるで奇跡みたいに思えてきていい気分に浸れるのも事実。

それにしても、彼の理想の相手の条件を読んでいると
(まず最初に「一流または1.5流大学卒または大学院卒」と具体的に学校名を列記。
東大、京大、一橋、東京外大、東京藝大、慶応、上智、早稲田(学部による)、
ICU、お茶の水女子大、日本女子大、東京女子大らしい)

本人がいちばんよくわかっている事実だけど、
「そりゃ恋愛なんかできるわけないよ」と言わずもがなのことを言いたくなってくる。

あと、小泉首相にセックスパートナーがいるのか否か、
独身の文化人、学者などの実名を挙げて彼らはセックスしてるか否かを
真剣に気にしているあたり、呆れるほど
「素」のモテない男ぶりを全開にしていて笑える。

'05 11 ★★★☆☆
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by Gloria-x | 2005-11-23 20:24 | ブックレビュー