お姫様とジェンダー/若菜みどり ちくま新書

コレット・ダウリングの「シンデレラ・コンプレックス」('82年)から
20年以上たっても大量に生産、消費され、
絶大な影響力を与え続けている
「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセスストーリー。
ディズニーアニメを題材に、昔話に巧妙に隠されていつの間にか
思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」の呪縛を探る。

斎藤美奈子「物は言いよう」と偶然同時期に読んだ。
同じジェンダー問題を扱っているが、
こちらはしょせん俗世と距離のある「大学の先生」の書いたモノ。

著者は自分が恵まれた環境に生まれ育ったと繰り返し書いている。
「両親は私が私自身の希望を実現するように全力で協力し、望んでもいた」
そんな著者は自分の教え子の女子大生たちにこうメッセージを贈る。
「漠然と腰掛の事務職ではなく(中略)
生涯にわたって続けられるライフワークを持ってほしい」

まったく失礼な話だ。
世の中には諸事情でやむをえず「腰掛の事務職」に従事している
女性がゴマンといる事実をまったく無視してないか?
それに「腰掛の事務職」に就く人がいなくなったら社会は機能しないのでは?
著者がいくら全編を通じて女性の地位向上や自由な生き方を提唱しても、
ただ学問的知識や研究に基づくものを並べただけで
一般女性の視点や生活実感は皆無。
しょせん基本の立ち位置が一般女性と違うのだ。
「はいはい、あなたはエリート路線一直線で
腰掛の事務職に就く必要もなく、よござんしたね」って感じ。

プリンセス・ストーリーの分析も目新しい観点などは皆無。

'05 10 ★★☆☆☆
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by Gloria-x | 2005-10-10 22:31 | ブックレビュー