悪女について/有吉佐和子 

何度読み返してもその度にぐいぐい引き込まれて
夢中で読んでしまう。
こんな本にはめったにめぐりあえないと思う。

富小路公子という一人の女について一章に一人、
計27人の人物が一人称で語るという構成。
そして、富小路公子本人は一度も登場しない。
27人それぞれの主観と語り口によって描写される公子の人物像は
同一人物とは思えないほどバラエティに富みながら、
不思議な一貫性を持ってリアルに浮かび上がってくる。
実際の富小路公子ははたして悪女なのか聖女なのか?

この構成の見事さ!
27人のキャラクター造型の緻密さと語り口の巧みさ!
これこそ一級のエンターテイメント作品だ。

'05 9(再読)★★★★★
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by Gloria-x | 2005-09-29 20:54 | ブックレビュー