東京湾景/吉田修一 新潮社

東京湾岸を舞台にした恋愛小説。
船積倉庫で働く亮介が出会い系サイトに登録したのは
世間を騒がせた「メル友殺人事件」の犯人にちょっと似ていると
言われたのがきっかけだった。

メールのやりとりの後、実際に会った涼子と名乗る女は予想を裏切る美人。
しかし、浜松町のキヨスクで働いていると言ったそれは嘘だった。
ある日、亮介の職場に人気女流作家が現れる。
女性誌に連載する恋愛小説の舞台が東京湾岸で
埠頭で働く若者が主人公なので取材させてほしいという。
やがて亮介の恋愛がリアルタイムで小説として雑誌に掲載されていく。

主役男女には個人的にあまり好感が持てなかったが
(どっちもつきあうとしんどそうなタイプなので)
小説としてはとてもおもしろかった。
『涼子』が亮介と会ってもちっとも楽しくないのに、
なぜかセックスの相性だけは合うことについて真剣に考え、
友人に語る場面など女同士の会話や心情描写がけっこうリアル。

'05 7 ★★★☆☆
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by Gloria-x | 2005-08-06 17:32 | ブックレビュー