幻夜/東野圭吾 

阪神大震災の朝、神戸市内の倒壊家屋で出会った雅也と美冬。
「私たちはもう日の当たる道は歩けない」という
美冬の言葉通り、その朝、暗い運命が二人を結びつけたのだった。
共に天涯孤独の身となった二人は
人生をリセットするため東京へ向かうが・・・

目的のためなら手段を選ばず、女を武器にするのも
邪魔な人間を殺すのも屁とも思わない女・美冬がすごい!
自分に惚れた男を操り、文字通り瓦礫の中から這い上がり
サクセス街道をのし上がっていく美冬は
悪女モノのお約束通り女優かモデルのような美女だが、
東京に行ってからも雅也と二人で話すときは関西弁という設定。
著者も大阪生まれゆえとってもナチュラルな関西弁で、
この設定が美冬の悪女ぶりにリアリティと一種潔い凄みを与えている。

東野圭吾の小説は登場人物が弱いというか、魅力に欠ける気がして
今までイマイチ楽しめなかったのだが、
これは「白夜行」以来の渾身の長編というだけあって
キャラクター造型もしっかりしていて一気に読ませる力があった。
ただしラストは個人的にちょっとがっかり・・・・

'05 7 ★★★★☆
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by Gloria-x | 2005-07-23 18:37 | ブックレビュー