宇宙戦争/ WAR OF THE WORLD '05(米)

c0008209_2053191.jpg注:ネタバレします。
平和な日常が宇宙人による突然の攻撃で崩壊、
住民がこぞって避難し、暴動が起きたりするあたりまでは
9.11のテロを彷彿とさせるシーンの連続で
どっぷり感情移入できて見ごたえバツグン。
ところが、肝心の宇宙人の攻撃方法と
彼らが自滅する原因がちゃち臭くご都合主義で
「はあ?」と首をひねったり失笑モノだったり・・・
しかし(好みはあると思うが)ツッコミどころ満載だし
いろんな意味で観て損はしない。

c0008209_2055589.jpg「はあ?」その1
命からがら生き延びたトム・クルーズとダコタ・ファニングを自分の家にかくまうティム・ロビンス。
ティムがちょっとアブナイ目つきでダコタちゃんを凝視しているのだがこの描写がどうも中途半端で思わせぶりなのが難。

「はあ?」その2
ティムの家の地下室に宇宙人が偵察にくるシーンが長すぎるし時代錯誤!
人類が地球に現れるはるか以前から地中に巨大物体を埋めて
地球の観察を続けていたという用意周到な知的生命体が
一軒一軒の家をしらみつぶしに人間を探すようなまどろっこしいことする?
かくれんぼじゃあるまいし、高度な文明を持つ生命体なら
その場所に生物がいるか否か瞬時にして判別できる方法を持っているはず。

「はあ?」その3
機は熟したとばかり人類を駆除する方法として
不安定な3本足のマシンでフラフラ移動しながら
レーザー光線みたいなので手当たり次第に建物を破壊するような
場当たり的で手間のかかる方法をとる?
人類だけに効く毒ガスを放射するとか、核爆弾並みの大量破壊力をもつ
何かを使うとか、とにかく楽で即効性のある方法をとるだろう。
(それを言っちゃおしまいで映画にならないけど)

「はあ?」その4
とにかくトムとダコタは逃げて逃げて逃げまくるのみ。
とりあえずハラハラするけど、結局どう収集をつけるつもり?
と気になるあたりは「ザ・デイ・アフター・トゥモロー」に似ている。
で、その宇宙人が自滅した原因というのが「そんなアホな~」の極めつけ。
わたしは一瞬「ああ、地球そのものがすっかり大気汚染や
環境破壊で毒されていて、宇宙人にとって大いなる計算外だったのか。
そしてこんな汚れた環境で平気で生きている人類ってゴキブリみたいな
存在ということか。皮肉な結末なのね」
と好意的に観たがとんだ深読みだった。

見どころその1
恐るべしダコタ・ファニング!とにかく可愛いしうまい。
恐怖と不安でパニックになってキーキー、ギャーギャーわめいているが、
ただワンパターンで絶叫しているだけでなく
声のトーンや発する言葉の種類、表情などすごくリアル。

見どころその2
トム・クルーズはどんな役をやっても「トム・クルーズですっ!」だが
それなりにどんな役も違和感がなく説得力があるのはさすが。

見どころその3
主人公レイと元妻の階級差の描写。
レイは港でコンテナをフォークリフトで積み下ろしする労働者。
一方、元妻はボストン出身のそこそこ”お嬢”で再婚相手もエリートらしい。
お互いの家はわりと近い設定だが、
レイの家は高速道路の高架脇に建つ長屋で、
金網で仕切っただけの裏庭に洗濯物を干しているような低所得層住宅。
元妻と子供たちが暮らす家は閑静な住宅街に建つ邸宅で
地下室だけでもレイの家の倍ほどある。
宇宙人の襲撃から逃げる途中、さりげない会話の中でも
ダコタ・ファニング扮するレイチェルが乗馬競技でメダルを獲ったとか話しているし、
娘に「ブラームスの子守歌知ってる?」と聞かれたレイは「知らない」と答えて
ポップスを子守歌代わりに歌う。
育った環境も趣味もまったく接点のなさそうなレイと元妻が
どういうなりゆきで結婚し、子供を2人も設けたのか、
映画的にはどうでもよさそうなこの設定が興味深い。

'05 7 2 劇場 ★★★☆☆
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ティム・ロビンス
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by Gloria-x | 2005-07-03 21:06 | 映画レビュー