罪悪 / フェルディナント・フォン・シーラッハ

最終篇「秘密」、最後の一行がゾッとするほど気持ちいい!

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著者は刑事事件専門の弁護士で、
実際に手がけた事件をもとに書いた短編集二作目。

処女作犯罪も強烈なインパクトがあったが、
文体や表現、全体の構成など
「本業は弁護士なんですけど、事実は小説より奇なりであるなぁと
痛感する事件が多く、ドキュメンタリーではない手法でカタチにしたくて
こういう本を書いてみました」
的な印象は否めなかった。
(あくまでもわたし個人の想像です(;^_^A)

本作では、いい意味でエンターテイメント色が濃くなったと感じた。
反面、処女作のどこか浮世離れしたようなおとぎばなし風味は薄れ、
現実的で後味の悪さ、エグさを増しているが個人的には◎
感情を抑え、そっけないくらい淡々とした文体はそのままに
15篇がバラエティに富んで読みごたえ満点で
一気に独特の世界にどっぷり引き込まれてしまった。

著者がここぞと「プロ意識」を発揮したのが
最終篇のラスト一行のオチ。
最終行からどんどん膨らむ想像の世界が恐ろしくも気持ちいい。


'12 3 ★★★★★
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by Gloria-x | 2012-04-03 17:53 | ブックレビュー