犯罪 / フェルディナント・フォン・シーラッハ

残酷な話ばかりなのに気品さえ感じる短編集。簡潔で硬質な文章が効果的。

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書店で一目見て強烈に惹かれた。
ドイツ人の弁護士という著者のプロフィールから
「FBI心理分析官」的な内容かと思っていたら
まったく逆方向だったけど久々に当たり!の一冊。

一生愛しつづけると誓った妻を殺した老医師。
兄を救うために法廷中を騙す、移民の犯罪者一家に生まれた末弟。
人や動物が数字に見えると言い、羊を殺し続ける伯爵の息子。
エチオピアの寒村を豊かにしたドイツ人銀行強盗。
弁護士の著者が現実の事件を基に、
異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを描く短篇集。


残酷で異様な事件の話ばかりなのに、
芸術的、文学的というか美しさや気品さえ感じるのが不思議。
感情を削ぎ落として淡々と紡がれる簡潔な文章が◎!
「エチオピアの男」「チェロ」が好き。



'12 1 ★★★★★
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by Gloria-x | 2012-02-02 11:14 | ブックレビュー