ジェントルマン / 山田詠美

ゲイである夢生の、子供時代の回想にはかなり共感したが・・・

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容姿端麗、文武両道、加えて気取らない気さくさと優しさで
周囲の人間誰をも魅了してしまう青年・漱太郎。
同級生の夢生はその姿を冷ややかに観察していたが、
ある日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。
それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった。
そして、夢生はその背徳にすっかり魅せられてしまう。


山田詠美はデビュー作からずっと読んでいる大好きな作家。
シンプルで意味深なタイトルと帯のコピーから
もっと衝撃的で強烈な内容を期待していたのだが
期待が大きすぎたのかもしれない・・・

誰もが魅せられてしまうという漱太郎という人物に
あまり魅力を感じなかった。
「老若男女、誰をも魅了する人物」と聞いて
思い描くキャラクターの枠にきっちり収まりすぎだし
その裏に隠された「残酷な本性」「犯罪者の貌」も
浅く凡庸な印象で残念。

ただ、ゲイである夢生の子供時代の回想、
家族や近所の子供たちに抱く違和感にはかなり共感し
自分の子供の頃を思い出した。
(わたしは100%ストレートですけどね(;^_^A)

血の繋がりや周囲の環境にフィットしない個性を持ち、
周囲に理解者がいないと子供時代はほんとにヘビー。


子供のいないわたしがエラそうに言えないけれど
子育てって国家事業並みに責任重大な行為だと思う。
世の親たちはそれに気づいてるのだろうか?
いや、気づいていたら怖くて子育てなんかできないのかも?




'12 1 ★★★☆☆
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by Gloria-x | 2012-01-29 17:47 | ブックレビュー