モンスター/百田尚樹

整形で別人のような美女になる。女の夢のひとつですよね。え?わたしだけ?

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町でいちばん美しい女は、かつてバケモノと呼ばれていた。

田舎町に突然現れ、瀟洒なレストランを始めた絶世の美女。
彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。
バケモノ呼ばわりされて虐げられ、友達もできない悲惨な日々。
実の親からも見放された彼女は追われるように東京へ・・・・
ある日、美容整形手術に目覚めた彼女は
東京で最低限の生活をしながら
手術費用を貯めては手術を繰り返し、完璧な美人に変身を遂げる。


「ビューティーコロシアム」という番組がけっこう好きなのだが
あそこに登場する女性の中にも
「畸形的なまで」としか言いようのない人がいる。
そんな女性が整形によって生まれて初めて自信を持ち、
笑顔になるのを見ていると心から「よかったね!」と思う。
日本ではまだまだ整形に対して偏見が根強く、
バラエティ番組でも事情通が「〇〇は整形」と
鬼の首を獲ったかのように話題にしたりしてるけど
美容整形でコンプレックスが解消され、
心の問題も解決して明るく生きていけるなら
周囲がとやかく言うことはないと思う。
(商売の資本投資として整形する芸能人は別として)

「私は戦って美しさを手に入れた」
こう言い切る主人公の潔さは読んでいて痛快!


醜い時代の周囲の仕打ち&それに対する主人公の独白は
ちょっと冗長で読むのがしんどいが
東京に出て主人公が開き直ってからおもしろさが加速。
職場で顔をからかい、執拗にいやがらせを続ける上司や同僚に
「てめぇ、顔を刻んでやろうか!」「ぶっ殺してやろうか」と啖呵を切り、
手術費用を稼ぐために風俗の面接を受けるも(処女なのに!)
「お前みたいなブスがやれる商売じゃないんだ」と
軒並み断られ、仕方なくSMクラブのM嬢になったり・・・(しつこいけど処女なのに!)
それも、自分はおそらく一生セックスとは縁がなかったのだから
仕事とはいえセックスできるならよしとする驚異のポジティブさ!

よくある「顔に難のある女が整形で美女になる復讐譚」ではなく
美醜による差別やいじめの現実、美容整形の詳細、
ブスの心理描写などが時としてイヤになるほどリアル!
顔さえ直せばあら不思議、スタイルはもともとよかったの?
なんてムシのいい話ではなく
主人公はバケモノみたいな顔+デブだったのだ!
それを死に物狂いの努力で痩せるというところが共感できる!

実はわたしも常々、お金とタイミングさえ許せば
整形したいと子供の頃から思い続けているクチ。
じゃあさっさとやれば?ですよねー(-_-;)

'11 5 ★★★★☆
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by gloria-x | 2011-05-15 22:49 | ブックレビュー