わたしを離さないで/Never let me go.'10(英)

原作の衝撃的な世界観、静謐で悲しい空気感を見事に映像化。
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世間から隔絶された寄宿学校で育った子供たち。
彼らには生まれながらにしてあまりにも過酷な、
逃れられない運命が定められていた。


カズオ・イシグロの原作小説を読んだのは約4年前。
静かに、しかし激しく感情を揺さぶられるあまりにも悲しい小説だった。
当時、わたしはこのように書いている。

~静かな語り口と丹念な情景・人物描写が
 かえって 登場人物たちの想像を絶する過酷な運命と
 悲しみを際立たせてよかった。~

原作が良すぎると、映画化は楽しみな反面怖くもあるのだが
これは小説の魅力を損なわず、かなり忠実に再現していると思った。
風景がことごとくすばらしい!
静かで寂寥感に満ちた空や海、建物・・・

そして子役を含め役者全員が違和感まったくなし。
あと、物語上重要な存在の「Never let me go」という曲を
実際に聴きながら感情移入できたのは映画ならではの魅力だろう。

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辛い運命や悲しみを表現する手法として
若い俳優が大げさにわめいたり泣き叫んだりする
最近の日本映画とは対極!(あれ興ざめもいいとこだしイライラするのよー)
淡々と抑えた演出ゆえに
彼らの背負った運命の残酷さがひしひしと伝わってくる。


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キャリー・マリガンがよかった。17歳の肖像に関しては
「100年も生きてきたわ的で初々しさのかけらもない」と酷評したが、
あのどこか疲れたような老成したような表情が、この作品にはピタッとハマっている。

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アンドリュー・ガーフィールドは今後ますます楽しみな役者。
上にも書いたように、感情表現を極力抑えた演出ゆえに
彼がただ一度感情を爆発させるシーンが際立って観る者の胸を打つ。
さらに、それに同調しないキャリー・マリガンの演技がまたいい!
(これ重要!)

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キーラ・ナイトレイってこんなにブスだったっけ?(失礼だけど)
アゴがすごいの!役作りで顔の輪郭が変わるわけじゃないし・・・
演技&存在感は悪くないです。

キャシー、ルース、トミーそれぞれの子役がとてもよかった!
あとマダム役の女優も印象に残ったな。
話はそれるけど、英国人ってあんなかっちりした服装で
庭いじりするのかしらん?と感心したわ・・・

'11 3 30 劇場 ★★★★★
監督:マーク・ロマネク
出演:キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド
    キーラ・ナイトレイ、シャーロット・ランプリング
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by gloria-x | 2011-04-03 16:53 | 映画レビュー