この本が、世界に存在することに/角田光代

本を読む人か、読まない人か。読む人でよかった、とあらためて思う。

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本への愛情をこめて書かれた9篇の短編集。

一緒に暮らしていた恋人に、好きな人ができたと告白され
主人公がまず口にした質問は「その人、本を読むの?」
恋人は「え」と少し驚いた顔をしてから
「読まない。読まないと思う。そういうこと、関係ないんだ」と答える。
同棲解消のために共有の本棚を整理しながら主人公は考える。


見も知らない人だけれど、
きっと馬鹿に決まっている。
だって本を読まないような人なのだ。
    
(彼と私の本棚)


この感覚、すごくよくわかる!
わたしは物心つくかどうかの年齢以来ず~っと
本が手放せない「活字中毒」である。

夜眠る前には必ず本を読むし、
遠出や旅行の際は必ず本を持っていく。
手元に読む本がないと落ち着かないのだ。
外出先だけでなく、家にいるときでも
もう読んでしまった本しかない、という状態は本当に困る。

本を読むから賢い、読まないからバカとは思わないけれど
本を読まない人のことは
なんとなく、打てど響かないというか
心の底からわかりあえないというか
自分とは別種の生き物のような気がしてしまうのだ。

本の一番のおもしろさというのは、
その作品世界に入る、それに尽きると私は思っている。
一回本の世界にひっぱりこまれる興奮を感じてしまった人間は
一生本を読み続けると思う。

(あとがきエッセイ)

わたしも完全にこれだ。きっと死ぬ直前まで本を手放さないだろう。

'10 7 ★★★★☆
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by gloria-x | 2010-07-30 23:01 | ブックレビュー