犬なら普通のこと/矢作俊彦+司城志朗

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人を殺すのは疲れる、犬のような人生を変えるためでも。
行き詰ったヤクザ者が2億円を賭けて灼熱の沖縄を這い回る。


矢作俊彦といえば日本人離れしたスタイリッシュな
ハードボイルド作家のイメージ。
大昔、FMでやってた「マンハッタン・オプ」が好きだった。
とはいうものの、小説を読むのはなんと
「さまよう薔薇のように」「ブロードウェイの自転車」時代以来。

主人公のヨシミは米兵と沖縄女性の間に生まれ、
沖縄を心から嫌っているヤクザ。
舎弟の彬は東京生まれの中国残留孤児二世。
沖縄が舞台のノワール物って新鮮だ。
作中、主人公自身が言ってるけれど
沖縄の方言ってのんびりしていて
「斬った張った」の世界には似合わないが、
読むうちにそれがなんともいえない味になってくる。

登場人物すべてキャラが立っていて映像的。
(肝心の主人公ヨシミだけ、わたしには漠然としていたのが残念だが)
ラストはシビアすぎてちょっと哀しい・・・

ヨシミと彬が沖縄のクソ暑さを唾棄し、
「2億手に入れたら、カナダかニュージーランドか、
とにかく年中涼しくて乾燥した土地で暮らしたい」
というのには心の底から共感!

'10 4 ★★★☆☆
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by gloria-x | 2010-04-24 22:20 | ブックレビュー