ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。/辻村深月

c0008209_11482445.jpg
「グロリアさんなら主人公の気持ちに共感されるのでは」と
まりりんさんがお勧めしてくださった一冊。

いろんな意味で、
まさにわたしのための小説だった。


まりりんさん鋭い!ありがとうございました!

都会でフリーライターをしながら幸せな結婚も手に入れたみずほと、
地元で契約社員として働き、両親と同居する未婚のチエミ。
幼なじみ2人の人生は少しずつ隔たって30歳という岐路を迎え、
共通の話題もなくなっていた。
そして、あの殺人事件が起きる。


酒井順子著「負け犬の遠吠え」を読んだ時に覚えた違和感が
著者がこの小説を書いたきっかけだという。
その「違和感」はわたしが同書を読んで抱いたものと同じで、
それが見事に小説として昇華されている。
(参考文献の小倉千加子著「結婚の条件」もドンピシャ!)

みずほの地元の友人たちのキャラクターと、
彼女たちの置かれた環境、ライフスタイルが
どうしようもなく息苦しくて、読みながらしんどくなるほどだった。
地方の独身30代ってほんとうにあんな感じなのだろうか・・・?

著者自身が「みずほとチエミはどちらがわたしでもおかしくなかった」と
語っているように、わたしも読んでいて辛くなるほど両者に共感した。

~結婚、仕事、家族、恋人、学歴、出産。
 社会の呪縛は、娘たちを捕らえて放さない~

帯のコピーにすべてが集約されている。
そして、母親と娘のどうしようもなく不幸でねじれた関係。

どんな風に振る舞っても、娘は許されず、
母の望む正解は出せないのだと思っていた。
だけど、正解を与えないのは私も一緒だ。
私は母を許してはいない。
それでも、彼女は一生、私の母だ。
逃げられないし、逃げるつもりもない。
一生、いい思い出も悪感情も、引きずりながら
向き合わせて生きていく。



みずほのこの独白は、まさしく現在の年齢になったわたしの心境。

ラストでわかるタイトルの意味が重い。

'10 4 ★★★★★
[PR]

by gloria-x | 2010-04-10 11:49 | ブックレビュー