走らなあかん、夜明けまで/大沢在昌

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東京から出張で大阪へやってきたサラリーマン坂田勇吉は
到着早々、新製品サンプルの入ったアタッシェケースを盗まれてしまう。
右も左もわからない大阪の街を男を追って走る坂田。
いつの間にか鞄はなぜかヤクザの手に渡り、
偶然知り合ったホステスが追跡劇に加わる。
坂田は明日の会議までに鞄を取り戻せるのか?

miffyさんおすすめの一冊。おもしろかった~!!!

主人公は箱根より西に足を踏み入れたことがないという設定。
大学時代に地方出身の友人たちと話すにつれ、
生粋の東京人であることに漠然と優越感を持っている反面、
東京に対抗心を持つ大阪で敵意の目にさらされるのでは?
とナーバスになったりも(笑)

東京人・坂田の目を通して描写される大阪が外国みたいで新鮮。
しかもキタやミナミなどメジャーな場所ではなく、
福島、新世界から大国町、阿倍野から近鉄線に乗って藤井寺、
鶴橋、住之江、フェリーターミナルなどコアでディープな場所ばかり!
街や交通機関の描写が正確で(方角や位置関係)
大阪人のわたしが読んでもまったく違和感がない。

大阪弁については、ヤクザのセリフはいいとして
ホステス真弓の大阪弁はやりすぎ&ガラ悪すぎ!

「ほな、うち、行くわ」
「ごっとさん」「知っとる?」なんて
言う女子いませんって(笑)


ちなみにわたし的には
「じゃあ、あたし、行くね」「ごちそうさまー」「知ってる?」ですが、
文字だけだと大阪弁に見えませんね。

大阪人同士でも、初対面だとあんなに大阪弁全開で喋らないし・・・
特に相手が東京から来た人なら
イントネーションは関西風でも標準語で喋るのが常識。
(ですよね?大阪人のみなさん)

大阪人にとってナチュラルな会話を
そのまま文字にすると
大阪弁のセリフには見えないからデフォルメするんでしょうね


大阪弁については監修者がついたらしいが、
「ひっかけ橋」を「ナンパ橋」と大阪人は言わないと思うし、
シンナーは作中「ぼけ」になってるけど
わたしは「アンパン」という隠語しか聞いたことがなかった。
地域や時代によって変わるのかも?
個人的には鶴橋のケンちゃんのセリフが最も自然で魅力的だった。

'10 3 ★★★★☆
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by gloria-x | 2010-03-28 16:55 | ブックレビュー