疑惑 '82(日本)

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昔TVで観て、桃井かおりが岩下志麻の白いスーツに
赤ワインをボトルごとドボドボかけるシーンが記憶に焼きついていた。

桃井かおり演じる鬼塚球磨子(この名前がすごい!)は
詐欺、恐喝、暴行、傷害の前科4犯という
生まれながらの悪女というより毒婦。

「鬼塚球磨子って名前もマズイよねー。
たとえば立花小夜子とか早乙女静子とかだったら印象も違うよねー」

劇中自らこう言うのだが、言いえて妙。
名は体を表すというが、逆に名前のイメージにフィットするように
人格形成される部分もあるのでは?

銀座のクラブでホステスをしていた球磨子は
客の中年男をたらしこみ、まんまと後妻の座に収まる。
男は地方財閥の御曹司で酒造メーカー社長の白河。

白河と球磨子が夜の港の岸壁から車ごと転落し、
球磨子だけが生きて救出されるところから物語は始まる。
警察は物的証拠がないまま、保険金殺人容疑で球磨子を逮捕、
マスコミは球磨子を「鬼クマ」と呼んで極悪ぶりを報道する。

悪女モノといえば「白いドレスの女」「ブラック・ウィドー」
「蜘蛛女」「プワゾン」など枚挙に暇がない・・・
ヒロインは揃って美人でセクシーで謎めいていて
男がコロッとやられるのもうなずける。
ところが、この球磨子はどうか。
下品で蓮っ葉で性悪、しかもそんなに美人というわけでもない。


ホステスとしても銀座のクラブで通用するとは思えないし、
いくら田舎者とはいえ、地方財閥の名士が
こんな下品な女に手玉に取られるだろうか?
愛人として囲うならまだしも、一族の猛反対を押し切って入籍するかぁ?

しかし世の中にはこの手の女がいるのも事実。
最近も自称セレブを演出し、知り合った男性を次々騙して
大金を貢がせては殺していた女がいた。
こういう女に限って美人じゃないのが不思議でならない・・・
いったいどんなすごいテクニックを持っているのだろうか?


球磨子のラストシーンの表情がよかった。
また、彼女の情夫を演じる鹿賀丈史の
飄々としてどこか憎めない小悪党ぶりも魅力的。

'10 1 WOWOW ★★★★★
監督:野村芳太郎
出演:桃井かおり、岩下志麻、仲谷昇、鹿賀丈史、丹波哲郎
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by gloria-x | 2010-01-19 22:43 | 映画レビュー