レイチェルの結婚/RACHEL GETTING MARRIED '08(米)
(もしかしたら無意識レベルで好みじゃない作品を見送る勘が働いてるのかも?)
姉レイチェルの結婚式に出席するために
依存症の更正施設から一時帰宅するキム。
腫れ物にさわるような家族に対し、
彼女はわざと問題児的なふるまいをする。
今にも大事件が起こりそうな緊張感を漂わせながら
家族の確執や秘密が明らかになっていく。
テーマ的には好きなはずなのに、
よけいな要素を詰めこみすぎた感があってしんどかった。
手持ちカメラ風の映像も狙いはわかるが、疲れるし普通でいいのでは?
レイチェルの夫が音楽家という設定上、
友人ミュージシャンが多数参加して式やパーティーを盛り上げる。
結婚式自体も一風変わっていて、
新婦(白人)×新郎(黒人)のカップルなのになぜかインド風。
披露宴では様々なジャンルの音楽&ダンスが繰り広げられるのだが
この披露宴シーンが異様に長く、
どう考えても作品上不必要な尺を取っているとしか思えず、
まるで自分も披露宴に参加していて
「あー、早く帰りたいなー、まだお開きじゃないのかなぁ?」
という心境になり思わず早送りする始末・・・
(逆にいえばすごい臨場感ってことね)
楽しもうと努力しているように感じられるのだ。
これは披露宴だけじゃなく、リハーサルディナーや
キッチンで食洗機にどっちがたくさん食器を入れられるか、
新郎と、姉妹の父親が対決するシーンでも感じた。
その場の全員がものすごく楽しそうにはしゃいでるけど
どうしても「無理してる」気がして痛いのだ。
新郎新婦は異人種結婚だが、父親の再婚相手も非白人だし、
友人にも東洋人(新興宗教やってそうな)がいたり、
新郎の付き添い役がキムと同じ依存症セミナー参加者だったり、
リベラルですべてに開けた家庭という表現なのだろうか。
そんな家庭で、そこそこ裕福だから
キムもいい歳して親掛かりで更正施設を出たり入ったりできるわけで
それがいいのか悪いのかって気もするけど。
姉妹の結婚のために問題児が帰郷する家族ドラマといえば
ニコール・キッドマン主演の「マーゴット・ウェディング」と似ている。
あちらも正直期待ハズレだったなぁ。
ところで、アメリカ映画を観てよく驚くのは、
結婚式前日のリハーサルディナー。
スピーチや音楽もあって、日本の感覚でいえばまさに本番。
主催者側も大変だと思うけど、
招待客もよくそんな時間が取れるもんだなぁと感心する。
個人的には「ベストフレンズ・ウェディング」の
リハーサルディナー(ランチ?)と披露宴が好き。
ジョナサン・デミ監督だったとは意外。
若い頃は好きじゃなかったデブラ・ウィンガーがいい味出していた。
'10 1 DVD ★★☆☆☆
監督:ジョナサン・デミ
出演:アン・ハサウェイ、ローズマリー・デウィット
by gloria-x | 2010-01-10 00:00 | 映画レビュー