キャンセルされた街の案内/吉田修一

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山本周五郎賞受賞「パレード」から
大佛次郎賞・毎日出版文化賞受賞「悪人」まで、
吉田修一のすべてのエッセンスが詰めこまれた短編集。
個人的には表題作「キャンセルされた街の案内」が最もよかった。

吉田修一のほとんどの作品を読んでいるが、
わたしのベストは「悪人」で、最近も再読したばかり。
(それなのにレビュー書いていないことが判明。なぜ?)
映画化が決定したそうで、主演は妻夫木聡と深津絵里とか。
主人公は長瀬智也をイメージして読んでいたので、
このキャスティングにはやや違和感を覚えるが、
妻夫木は「好きじゃないけど演技力はすごいと思う」役者なので楽しみ。

個人的にはパークライフや「春、バーニーズで」などより
長崎乱楽坂系の路線が好み。

今回、著者の集大成的な短編集を読んであらためて実感したことがある。

わたしが小説を読んで、怖く、しんどく、イヤ~な気分になるのは、
猟奇的殺人者が出てくるミステリーやモダンホラーではなく、
この短編集の「乳歯」みたいな話だとわかった。
これはさよなら渓谷の時にも体験済み。

それと、吉田修一が主人公として描くような男性とは
(たいていはごく一般的な現代日本男子だと思うのだが)
わたしはつきあいたくない(つきあえない?)なぁ~と
なぜかいつも肌で思う。

'09 12 ★★★★☆
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by gloria-x | 2009-12-05 21:47 | ブックレビュー