その土曜日、7時58分/BEFORE THE DEVIL KNOWS YOU'RE DEAD '07(米・英)
冒頭、「早く天国へ行ってしまいたい」と出てタイトルに続く。
だけど、この兄弟にそんな甘い願いが許されるはずがない。
どん底を突き抜けて底無し沼、
いや、それこそ無間地獄に堕ちていくだろう。
大手不動産会社で会計士として高収入を得ているが、
いろいろ後ろ暗いことでパンパン。
一方、弟ハンク(イーサン・ホーク)はいわゆる負け犬で、
離婚して娘の養育費も滞りがち。
ある日、アンディがハンクに強盗計画を持ちかける。
彼らの実の両親が郊外のモールで営む宝石店を襲うというもの。
ハンクは即座に断るが、喉から手が出るほど金が欲しい窮状につけこまれ、
アンディに強引に言いくるめられてしまう。
決行当日、簡単なはずの計画に誤算が起き、家族は崩壊。
追い詰められた兄弟は・・・。
こういうのを生まれながらの性悪というのだろう。
一方イーサン・ホークは根っからのヘタレ。
心は優しいがいかんせん弱すぎる。
そんな息子2人を育てた父アルバート・フィニーの心中たるや・・・
この人がいちばんの被害者であり、短い老い先を
心に地獄を抱えて生き続けるのだろう。
後半、この父と長男アンディの間の確執が出てくるのだが、
ちょっと突然だし、特に要らなかったような気がする。
幼児期のトラウマとか関係なく、
アンディを性根から悪い奴として描いたほうがよかったのでは?
大胆なベッドシーンとすごくエロイ体を披露している。
この人、若いときからなぜか「男運悪く幸薄い」イメージがあるのよねー。
奥田英朗の「最悪」に通じるような、
誰も彼もが人生最悪の状況で、なんとか逆転させようと悪あがきするも、
さらにドツボにハマっていくので正直観ていてヘビー。
しかし、さすがシドニー・ルメット監督&豪華キャスト陣だけの値打ちはある。
フィリップ・シーモア・ホフマンがヤクを打ってもらいに行く
高級アパートメントのインテリアがすごくいい!
'09 11 DVD ★★★★★
監督:シドニー・ルメット
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホーク
アルバート・フィニー、マリサ・トメイ
by gloria-x | 2009-11-15 11:57 | 映画レビュー