グレイ・ガーデンズ 追憶の館/GREY GARDENS '09(米)

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いやはや、ものすごく見ごたえある実話モノだ。
N.Yのお金持ちの別荘地として有名なイースト・ハンプトン。
そこに実在するグレイ・ガーデンズという屋敷が舞台。

ケネディ大統領夫人、後にオナシス夫人となる
ジャクリーヌの実家・ブーヴィエ家出身のイーディスと、
その娘イーディ(母娘同じ名前)が、
享楽的な富豪生活から、電気・水道も止められた
ゴミ屋敷で暮らすまでに落ちぶれていく物語。


母イーディスをジェシカ・ラング、
娘イーディをドリュー・バリモアが演じている。
どっちも上手い!そしてすごい迫力!
特に晩年、ジェシカは性別不詳の怪演。
(角度によってサム・シェパードに見える。不思議だ)
ドリューは特殊メイクとは思えないほど自然な崩れっぷり。
(歳取るほどアゴが目立ってきたレネ・ルッソ似)
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↑:没落前。美人母娘 ↓:没落後。化け物屋敷に住む変人
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母娘そろって名家の奥様、お嬢様に納まりきれない性質。
なまじ美貌と才能があるばかりに女優や歌手への夢が捨てきれず、
それが仇となって果てしなく落ちぶれていくハメに・・・

母と娘の共依存がグロテスクな関係に加速していくプロセスが恐ろしい!
ののしりあい、傷つけあい、憎みあいながらも離れられない歪んだ関係。
娘を自分のそばに縛り付けておきながら、
「もっと早く出て行けばよかったのよ」という母親。
それに対して娘が次のような内容の言葉を返す。
「過去と現在の境い目がどこかなんてわからなかったのよ」
この言葉、思わずグサッとくる。
誰しも思い当たることのひとつやふたつあるのではなかろうか?

こう書くとシリアスで重苦しい話のようだが、
主役2人に居直ったサバサバ感のようなものがあって気持ちいい。

多くの使用人を抱え、夜毎パーティーに興じていた屋敷が
どんどん荒れ果て、ゴミがあふれ、ペットの猫が異常繁殖、
野生のアライグマまで棲みつき、
周辺住民からの悪臭苦情で警察が強制退去を迫るくだりは
ワイドショーなどでおなじみの「ゴミ屋敷」を見ているよう。

でも、2人は食料さえ尽きても優雅というか生活感皆無というか、
こうなるまでになんとかできたのでは?とゾッとするけど
この危機感の欠如というか、あえて没落に身を任せるのが
真の金持ちというものなのかも。

ゴミ屋敷で餓死・凍死寸前なのに
毎日ファッショナブルな娘イーディのセンスは必見。
ジャクリーヌ役のジーン・トリプルホーンも本人にそっくりだった。
1975年製作のドキュメンタリー映画もあるらしく、
そっちも観たい!


'09 11 WOWOW ★★★★★
監督:マイケル・サシー
出演:ドリュー・バリモア、ジェシカ・ラング、
    ジーン・トリプルホーン、ダニエル・ボールドウィン
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by gloria-x | 2009-11-05 21:23 | 映画レビュー