静子の日常/井上荒野

c0008209_18145019.jpg
直木賞受賞後の井上荒野作品には
ことごとくがっかりさせられてたのだけど、
のるぶさんご紹介の新作は
久々に肩の力が抜けた感じでよかった。

70代の静子と、息子・愛一郎(すごい名前!)その妻・薫子、
高校生の娘・るかの4人家族が
それぞれの視点で語り手となる。

静子のキャラクターが魅力的だ。
世間一般の「おばあちゃん」の枠にハマらない
クールでさばけた老婦人が小説で描かれるときは
痩せ型で、見るからに辛口そうな女性が多いのに、
(それはそれで憧れもあって好きだが)
静子はふっくらして、一見おっとりしていて
誰からも好感を持たれるタイプ、というのが新鮮で◎

登場人物がみな「健全に育った常識人」というか、
生きていく上で誰もが味わうような葛藤や悩みにつまずいても、
極端な行動に走ったり、エキセントリックな考えに
勝手に酔ったりしないところがいい。

********************

井上荒野ってフィットネスクラブにおける人間関係や
そこにいるちょっと変わった人物をモチーフにするのが好きみたい。

'09 10 ★★★★☆
[PR]

by gloria-x | 2009-11-01 18:45 | ブックレビュー