アイムソーリー、ママ / 桐野夏生 集英社

娼館で産み落とされ、母親が姿を消したため戸籍もないまま育ったアイ子。
その後、娼館が潰れて行き場を失ったアイ子は
自ら交番に相談に行き施設で成長する。
娼館でも施設でもいじめられ、人に愛されたことがないアイ子は
たった一人で生き抜くため、気に入らない人間を次々と殺していく。

「東電OL殺人事件」を元にした「グロテスク」の主人公もそうだが、
世の中には一般的な人間の枠からはみ出すどころか、
枠の輪郭がまったく重ならない人間が実在する。
でも、本人にはそれがいたってノーマルな感覚なのかもしれない。
想像を絶するような犯罪を起こす犯人がそういう人なんだろう。
著者は社会の底辺を這うように生きている人間を描かせるとバツグン。
こけおどしのホラーなどでなく、
生理的な不快感を覚えさせる描写も他に類を見ないほど。

ホテル業界の女王や、元・娼婦の老女たちなど
個性の強い登場人物たちにしぶとい明るさが感じられて救われる。

'05 3 ★★★★☆
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by Gloria-x | 2005-03-24 00:20 | ブックレビュー