魔女の笑窪/大沢在昌

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読書傾向がけっこうカブっているmiffyさんのところで見つけました。

おもしろかったー!
男性の作家で、ハードボイルドなヒロインをこんなに嫌味なく
かっこよく書ける人は珍しいと思う。
女性経験が豊富かつ、女のことを良くも悪くもよくわかっている人なのかなぁ。
ヒロイン像としては桐野夏生著「ダーク」のミロに近いかな。
いつものように映像化を想像しながら読んだけど、ちょっと思いつかなかった。
文体もドライで無駄がなくて◎!
(ノワール物では好きな馳星周が情緒過多に感じるほど)


東京で裏社会のコンサルタント業をする水原。
彼女には男の目を見ただけで、もしくは寝ただけで
その男を完璧に見抜く才能があった。
さらに、彼女には絶対に隠し通したい凄絶な過去があった。
生きてそこから出られる女はいないという「地獄島」から脱出し、
名前を変え、顔を変え、風俗嬢から成り上がった彼女だが、
その過去を暴こうという者が接触してくる。
そして、ついに「地獄島」からの追っ手が・・・


全10話の連作短編で、水原が脱出した「地獄島」の全貌が
最終話で明らかになるのだが、
それまでにチラチラと小出しにしてる部分が
女なら吐きそうになるくらい怖ろしい!
その怖いもの見たさを煽る構成も上手い。


ところで、「地獄島」に似た島が実在するのは知っている。
ここまで厳戒態勢かどうかは知らないけど、
システム等は聞いた話と同じ。
通称はもっと身も蓋もない名前だけど、そこがモデルかと思った。


'09 8 ★★★★★
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by gloria-x | 2009-08-27 13:10 | ブックレビュー