アンダーカヴァー/We Own the Night '07(米)
人間ドラマもしっかり描かれたクライムサスペンス。
ホアキン・フェニックスの演技力を再確認した。
80年代末のN.Y。ボビー(ホアキン・フェニックス)は
父(ロバート・デュバル)がN.Y市警の警視、
兄(マーク・ウォルバーグ)が警部という警察名門一家に生まれながら
実家とは疎遠でナイトクラブの雇われ支配人をしている。
父の跡を継ぐ真面目な兄と、親に背いて奔放に生きる弟という古典的な図式。
ボビーと顔を合わせれば「まっとうな生き方をしろ」と説教する父だが、
息子を愛し心配していて「今からでも警察に入らないか」と勧める。
これってちょっと甘やかしすぎでは?
いくら警視とはいえ、水商売にどっぷり浸かった息子を
コネで中途採用できるのだろうか?
もちろん、そんな気はさらさらないボビーだが、
運命の因果か、結果的には自ら志願して警察官に。
ボビーは母親の旧姓を名乗ってまで父と兄の生き方に反抗し
水商売で成り上がっていこうと野望を抱いていたのに、
意外にあっさりと父や兄のために警察に協力し、
最終的には生き方そのものも変えてしまうのがやや疑問。
まあ、そこでダラダラとボビーの内面的葛藤を見せても
テンポが悪くなるし話が展開しないので仕方ないか。
兄とも反発し合っているようで、実は深い絆で結ばれている。
そして兄弟揃って父を深く愛している。
このあたりの微妙な感じに3人の俳優の演技が説得力を与えていた。
特に父親役のロバートデュバルがよかった。
この人はどんな映画に出てもほんとにいいわー。
「どうです?渋いでしょ」なんてこれっぽっちも態度に出さないのに
淡々と渋いところがすごい。
そそられる感じでけっこう好きです。
エヴァの貫禄ある歩きっぷりに目が釘付け!
「おーっ!いい女~」という表現がぴったり。
'09 6 DVD ★★★★☆
監督:ジェームズ・グレイ
出演:ホアキン・フェニックス、マーク・ウォルバーグ
ロバート・デュバル、エヴァ・メンデス
by gloria-x | 2009-07-01 15:34 | 映画レビュー