愛を読むひと/The Reader '08(米・独)

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ずっしりヘビーで深い、なのに湿っていないところがよかった。
英国、ドイツのスタッフだからか、静謐で乾いた空気感。

しかし、日本語タイトルがよくない。
「年上の女と少年のひと夏の情事」みたいな
甘ったるくちょっぴり感傷的な映画だと誤解されそうである。
原作小説と同じく「朗読者」でよかったのに・・・
上映終了後、近くの席のおばさま2人連れが
「期待してた内容と全然違ったわ~」と言ってた。
たぶん↓のようなムードの恋愛モノを期待してらっしゃったのだろう。
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(ネタバレなし)1958年ドイツ・ベルリン。
15歳のマイケルは偶然知り合った36歳のハンナに性のてほどきを受ける。
翌日から盛りのついた犬のようにハンナの部屋に通いつめるマイケル。
ハンナはマイケルを「坊や」と呼び、突き放したかと思うと激しく求める。
セックスの前にマイケルが本の朗読をすることが2人の習慣となり、
マイケルはハンナとの関係にのめりこんでいくが、
ある日、ハンナは突然姿を消す。

8年後、大学で法律を学ぶマイケルは
傍聴したナチス関係の裁判の被告席にハンナの姿を見つけて衝撃を受ける。
ハンナが隠し通した「秘密」とは・・・・

ハンナの「秘密」については途中で気づくんだけど、
あんな切羽詰った状況に追い込まれても隠し通したいとは・・・
それを切り札にして窮地を脱するのが普通だと思うが、
本人以外にはそれほど重大でなくても
コンプレックスってこれほどまでに複雑で根深く、
本人を一生呪縛するものなのだなぁ、と思い知った。

イジメにあってる子供がイジメられてることを親や教師に言う苦痛より
イジメられる日常を甘んじて受け入れるようなもの?(ちょっと違うか)
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ケイト・ウィンスレットの役、当初はニコール・キッドマンで進んでたとか。
いや~ケイトで正解でしたよ。
ニコールだったらハンナという女の生身感が出なかったと思う。
このハンナ、秘密を抱えて苦悩して生きているようでいて、
意外と割り切った感、開き直ったサバサバ感があり
ちょっととらえどころのないキャラクターなのだ。
このあたりぜひ原作で確認したい。
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マイケル役のデヴィッド・クロスは欧米人らしからぬ不思議な顔というか、
目のあたり、ちょっとトラボルタを100倍希釈したように見えることも・・・
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マイケル大人版はレイフ・ファインズ。
冒頭、この人が出てきただけで「秘密」や「禁断」のニオイがプンプン。
苦悩っぷりといい、煮え切らなさといい、彼以外には考えられないハマリ役だ。

あと、レナ・オリンが貫禄たっぷりで思わず「かっこいいー!」と感嘆。

ひとつ気になったのは、ドイツの話なのにセリフが英語なこと。
それ自体はよくあることだけど、テーマがテーマだけに
肝心の「朗読」内容や本の中身もすべて英語ってどうなのかねー。
日本が舞台なのに劇中で読んでる本がハングルで書かれてるようなものでしょ。
最初、マイケルの一家の名前がピーターとかエミリーなので
ドイツ在住の英国人家庭かな?と思ったけどそうでもないみたいだし・・・


'09 6 24 劇場 ★★★★★
監督:スティーヴン・ダルドリー
出演:ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、デヴィッド・クロス、レナ・オリン
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by gloria-x | 2009-06-24 22:13 | 映画レビュー